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2008年8月15日 (金)

『売上1億円を引き寄せる感謝の法則』 by 成田直人

ここのところ読んでいるのは「ビジネス書」が多い。
『本が好き!』プロジェクトでもそうだけれど、
法律改正に関する本も必読なので、なかなか大変。

さてこの『売上1億円を引き寄せる感謝の法則』という本は、
ちょっと長めの題が、なんというか、いかがわしい(笑)
「1億円」という金額も途方も無い感じだし、
続く「感謝の法則」という言葉との関連が掴みにくい。

が、どうやら、この「題」はかなり人の興味を惹くようだ。
私は『本が好き!』から受けた献本は、
(基本的に)カバーをしないで電車の中などで読み歩くのだけれど、
この本は、未だかつて無いほどに注目を集めたように感じた。
帯に書かれてある、

なぜ、22才のフリーターが7ヶ月で1億円売りあげたのか?
地位もない。知識もない。経験もない。
そんな一人の若者が見い出した圧倒的な成果を出す究極の方法。

という言葉を、明らかに視線で追っている人が多かった。

さて、その「究極の方法」なのだけれど、例えば、
「年商1億円なら一営業日に幾ら売り上げれば良いかを考える」
といった、至って簡潔な考え方から始まって、
「立場を変えて考えてみれば自覚できること」の積み重ねで、
けっして特別に編み出された「究極の方法」と言うものではなく、
「死ぬほど空腹の時に食うお握りこそ究極の食事だ」
に通じるような、いわば「原点」としての「究極の方法」だと感じた。

冒頭にも書いたが、最近「ビジネス書」を読む事が続いた。
『愛と感謝の美容室 バグジー1・2』と、
『36倍売れた! 仕組み思考術』だけれど、
そもそもこういう類の本を信頼してないみかん星人なので、
こうして続けて、しかも「なかなかよく書けている本」に出会うと、
改めて、
「じゃあ、今までのビジネス書って、なんだろう?」
と思ってしまったりもする。

この本に書かれているのは、
基本的に「人と人との関係の上に商売は成立している」と言うことで、
実に「当たり前のこと」だ。
手持ちの商品を欲しがっている「お客さん」と出逢い、愛し、
その人にとって最大の満足が得られる状況を構築して、
そんな時間を共有できた事に感謝して、
「いつまでも見守っていますよ」という思いを込めて別れる。

至極簡潔に書き出したこういった関係は、
この本の著者も言っているように、総ての人への感謝そのもの。
例えば「恋人」と過ごす時間だって、これと同じ姿勢が基本のはずだ。

けれど、それが「画期的なビジネス書」として登場する。

という事は、今までの商取引とは、どんなことだったのだろう?
いわゆる「なかなか実践できないビジネス書」には、何が書いてあるのか?
欲しくない人を煽って売りつける」詐欺師的な手段?
満足を得させずに、餓えた状況を維持して商売を続ける」方法?
後味が悪くても、買ってくれるなら誰でも好い」という思考?
もしそうなら、これらは、いわゆる「誑し」だ(笑)(失礼)

本書は、ともかく客の立場に立つ事の大切さを教えてくれる。
時には「シャーロックホームズ」のようになってでも、
お客さんに寄り添うべきだと語っている。
「今の時代」が、そいう商取引を求めているというのは、
もしかしたら、多くの人が、
「自分を解って欲しい」と感じているからなのかもしれない。

この本に書かれた「究極の方法」が、
その「いま、人は、自分を解ってくれる人を求めている」のであれば、
まさに、それを実感し実践する事が「究極の方法」なのかもしれない。

それにしても、この本を読みはじめると、
「この、成田直人という青年は、どんな人なのだろう?」
ということがきになってしかたなくなる。
時に、過剰な迄の「承認」を欲しがる人にも感じられた著者の事は、
本の最後になって語られるのだけれど、
みかん星人は、その部分を読んで大いに納得した。
著者・成田氏は、愛される喜びと愛する喜びを知っている人なのねconfident
「人と出会う事は、楽しくて、嬉しいことだ」
という基本的な価値観があるから、
どこでどんな人と出会っても、その前提に自分を置く事ができる。

成田氏も書いているけれど、これは本当に大切な宝物だ。
けれど、こんな宝物をもっている人は、なかなかいない。
この本の構成は、その宝物を最後になって公開しているけれど、
もしかしたら、もっと早い段階で明示したほうが、
読む人にとっては「なるほど」と感じられる点が多くなるかと思う。
多くの人にとってこの本は、
「成田直人」氏の魅力を感じさせる本になるとは思うけれど、
もしかしたら「それだけの本」として読まれてしまう可能性も、あるね。

それと、書中に「パラダイム」という言葉が何度か出てくるのだけれど、
この言葉が「ピン」と来ないし、もしかしたら、用法が違う気がする。
全体に語り掛けるような口調が心地よい本なので、
もし「つぎ」と思うのなら、なるべくカタカナ言葉は減らしてはどうだろうか?


売上1億円を引き寄せる感謝の法則

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書評

【書評リンク】
-ふどうさんやさん- by Goriさん
新書☆う☆膨大2 by mozu180さん
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コメント

みかんさん

ありがとうございます。
レビュー拝見させていただきました。
心から感謝申し上げます。
私自身もとても勉強になりました。

次回作品はカタカタ用語を減らすよう努めます。
新鮮なご意見ありがとうございます。

ご掲載していただいたレビューは宝物です。
ありがとうございます。

成田直人

投稿: 成田直人 | 2008年8月15日 (金) 午後 09時25分

成田直人さん、コメントありがとうございます。

お互い、そして誰もが、死ぬまで「勉強」ですね。
このレビューが、まさに他山の石となれれば幸いですし、
成田さんの本は、実に温かい言葉で綴られていて、
私に多くの刺激を与えてくれました。

少し前の記事にも書いたのですが、
私も「多くの人にとても愛されてここまできた」と思っている一人です。
そのことが、どれ程に得難い事なのかも、この本で再確認しました。
と、同時に、
この感覚は「自覚次第」だということも考えさせてくれました。

「ビジネス書」というよりも「自己啓発本」なのかもしれないですね。

投稿: みかん星人 | 2008年8月18日 (月) 午後 11時00分

トラバありがとうございました。

当たり前のことを当たり前に言って、行動しておられる成田さんのこの本やっぱり素晴らしいですね。
これってみかん星人さんのおっしゃる「自覚次第」ですが、自覚できることが素晴らしいのですね。

さて売出しからはや半年、売れ行きはいかがだったのでしょうか?もし数値的に到達できなくともそれなりの結果があったと思います。


投稿: west32 | 2009年2月 1日 (日) 午前 09時36分

west32さん、コメントありがとうございます。

「感謝の心」なんて言葉は居心地悪いのですが(笑)
つまりは「生きてるだけで丸儲け」みたいな気持ちが大切なのかもしれないですね。

この本のブログによれば、手売りで5000冊を売ってしまったようですし、
アマゾンでの評価も高いですし、、、かなり順調なのかなぁ。
・・・まあ、順調なのが好いとも限らないのか?(笑)

投稿: みかん星人 | 2009年2月 2日 (月) 午前 11時51分

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