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2008年4月22日 (火)

『どん底』 @ シアターコクーン

マクシムゴーリキーが20世紀初頭に書いた『どん底』。
原作は読んでないけれど、黒澤明監督の『どん底』で知ってるつもりの1作。

演出は「ケラリーノ サンドロヴィッチ」という人で、
演劇好きな人には有名な、実は日本人。
四半世紀前に『有頂天』という妙なバンドで活躍していた、あの人。

観に行った理由は、単純、、、緒川たまきさんが出ているから。
でまぁ、緒川さんは「見ていると嬉しい」という感じでしたが、
さて、あの役をきっちりと捕らえていたのかどうか?は解らずじまい。

で、こういう「いろんな解釈で、面々と上演された芝居」は、
観る側にも「予備知識」というか「経験」が必要なのかな?と感じた次第。
つまり、
「以前の演出とは違う芝居にしたい」
という欲望が作り上げた芝居であっても、戯曲はひとつなので、
一つ一つの【役】が背負っているメッセージは共通している。
そして、だからこそ、その【役】のメッセージが際立つように演出される。
となると、
本来、その【役】が、舞台の上で伝えるべき情報が削られていたり、
或いは際立たせるために誇張されている事が、当然、多い。

今回、緒川さんが演じたナターシャという【役】に見え隠れしていた、
「醒めた感じ」の中に潜む「総てを変えてしまいたい欲望の芽」は、
あれは、この舞台独特なのか、緒川さんの資質なのか、
あるいは、もしかしたら演出、あるいは演技の失敗なのか(笑)は、
この舞台を観ているだけでは見抜けないわけ。。。

改めて、こうして何度も上演される舞台の「魅力」の入り口を理解したし、
なにより「もっと舞台芸術を!」という欲望に火が着いた舞台だった。

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