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2008年3月29日 (土)

『トゥーランドット』@赤坂ACTシアター

こちらはプッチーニが手がけたオペラ『トゥーランドット』を、
日本を代表するスタッフの手で再構築した舞台
演出が宮本亜門氏、音楽を久石譲氏、作詞が森雪之丞氏、衣装がワダエミ氏。

あの冷血なお姫様と謎解きの(特異な)愛情(愛憎)物語が、
見事な政治物語(どことなく『モーツアルト!』風)として組み上げられていた。

スタッフも見事だけれど、キャストもなかなか。
何度も舞台で観てきた岸谷五朗くんは、いつもと似た感じの役で、
(政治物語にしてるのに善悪二極論に留まっているあたりが「いつも」なところ)
「もう少し苦労して欲しい」と感じる役不足感があったけれど、
やはりあの台詞回しはお見事。

台詞回しの見事さでは、さすが歌舞伎役者・中村獅童くんの怒鳴り声が素敵。
あれだけ怒鳴っておきながら、台詞が通るのが凄いんだけど、
でも、ミュージカルだからって、歌わなくても良いと思う。
歌うと、急に品?が下がるのはどーしてだろうなぁ(笑)

逆に、台詞を総て歌にしてしまえば良かったと思ったのが、
トゥーランドット姫を演じた、台湾の歌姫・アーメイ嬢。
歌は大変に上手くて伝わってくるのだけれど、台詞が残念。
これは総て歌にしてあげるという演出があっても良いと思う。

最も感動したのは、実は、安倍なつみちゃん!
「なんでこんな配役をするかなぁ。。。。」と思っていましたが、失礼しました。
台詞もちゃんと丁寧に発していたし、なによりも歌が上手い。
特に『月の人』は新作ミュージカルの曲なのに既に名曲の響きがあるし、
それを彼女は実に豊かに情感を乗せて歌っていた。
あれは、まさにミュージカルな場面だったなぁ。。。

舞台装置は、簡潔だけれど創意に富んだもの。
ただ、2階から観ていると、意外に平面的に見えてしまう。
呆れるほどたくさん出てくる役者達も、量としては圧倒的だけれど、
どうも「混乱」しているようにも見えてしまうことがあった。
というか、どうしてあんなに長くチャンバラする必要があるのかねぇ(笑)
なんとなく地球ゴージャスかと思ってしまった(笑)

それにしても、、、、この劇場は。。。

入ると二階で、一階へは階段を降りるという親切設計
しかも、山ほどの華が飾られて往来がめっぽう混雑
さらに、首からID下げた劇場関係者が入り口にたむろしてて邪魔してる

素晴らしいのは、クロークが無くて、300円の有料コインロッカーがある事
劇場におけるクロークの意味を知らない設計なんだろうなぁ

それでも、終演後は一階にも出口ができたりして、基本設計は悪くない。
問題は、運用方法(というか金儲け)にあるんだろうなぁ。。。
「文化施設」を持ったという誇りを感じさせてくれると、嬉しいのだけれど(笑)

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