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2008年3月21日 (金)

『キャッツ』の「リハーサル見学会」

福井くんも出ているし、なによりも「レベッカ・デミ」なので、
『キャッツ』のイベント「リハーサル見学会」に参加してきました。

今日の「リハーサル」は「ジェニエニ・ナンバー」。
イベントの「質問コーナー」に登場なさった役者さんは、
武藤 寛さん、齊藤 翔さん、大口朋子さん、石栗絵理さんの4名で、
分かる人には分かる、二組のカップルのご登場でした。

イベントが行われるという、それ自体は面白いと思いますし、
前回参加した「バックステージツアー」は大変に面白かった。
ただ、今回の「リハーサル見学」というイベント、
本当に『キャッツ』という演目にとって「いい」のか「わるい」のか、、、
少なくとも、みかん星人に取っては「あまり面白くないイベント」に思えました。

いろんなイベントに参加してきたけど、よく考えてみると、
「リハーサル見学会」に参加したのは『アイーダ』だけでしたねぇ。
その『アイーダ』のリハーサルでは、
微妙なタイミング、姿勢、視線の再確認はもとより、
「場面・仕草・振付に込められている意味の共有と確認」などがされて、
『アイーダ』の物語にますます興味と面白を感じ、感動を深くできた。
イベントの司会だった脇坂さんの、
「問題点は小さいうちに解決しないと、気がついた頃には大きなズレになってしまう」
という「毎日リハーサルをする理由」も大いに納得したものだ。

さて、そんな経験もあって、『キャッツ』のリハーサルも期待して臨んだ。
実際みせてもらった「ゴキブリ・ダンス」のリハーサルでは、
脇坂さんの言う「小さな問題点の解決」がなされて、それはそれなりに面白かった。

ただ、例えば、ジェニエニドッツとゴキブリの関係について、
「煩い汚いゴキブリが、ジェニエニ小母さんに導かれて、見事に踊れるようになる」
といった意識を役者達が改めて確認し、それを共有して踊っているのを知るというのは、
本当に『キャッツ』を観る上で楽しい事なのだろうか?(笑)
確かにあの場面は、
「ジェニエニドッツが、ゴキブリを躾けて、大掃除をさせる」
という場面ではあるし、そう唄ってもいる。
けれど、ゴキブリを演じる役者の意識を知ってしまうと、
それは同時に「ゴキブリを演じる役者」の存在を強く感じる事にもなってしまう。

『アイーダ』のリハーサルでも、
例えばローブの場面の最後での「アイーダの意識」を再確認していたが、
それはアイーダの立場をより深く理解する手助けになった。
けれど、『キャッツ』において「役どころの意識」を観客が知る事は、
少なくともみかん星人に取っては、鑑賞の妨げになると感じた。
私にとっての『キャッツ』の魅力は、
猫の世界を覗き観る事で、本能の力や、素直な自己表現、命の輝きを感じる事だ。
それはもちろん人間が演じて感じさせてくれるものではあるけれど、
時に舞台から「役者」が消え、命そのものがメッセージをくれる瞬間がある。
もちろんそれは、役者達が猫になりきるための練習を重ねている成果だと思うし、
その総ての努力と才能を満喫できるからこそ、何度でも観たくなる。
つまり「役者が演じている」のを忘れさせてくれる事に魅力がある舞台なのだ。

それから、リハーサルなので当然なのだろうけれど、
舞台にいる役者達は、衣装もメイクもしていない(笑)
だから、久しぶりに人間のレベッカ様を拝見できたし、
とてもクールな趙マンカスや、とても可愛い表情の金子ミストを眺めたりもできる。
けれど、一度こういう姿を知ってしまうと、その後の舞台で「夢」に入り込むのは難しい。
 (まして花粉にやられている脳の処理スピードでは到底追いつかない)

「猫の世界」を覗き観た「バックステージ・ツアー」は面白かったけれど、
「猫」を演じる役者達をリアルに感じる「リハーサル見学」は、
『キャッツ』という演目には似合わないと、みかん星人は感じた。

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