『アイーダ』@新国立劇場
ヴェルディ作のグランドオペラ『アイーダ』を劇場で観るのはこれで3度目。
エルトン&ライス版を何度か観ているお陰で、
最初に鑑賞した時から物語は充分に理解していたし、
更に物語の深い部分、特にアモナズロに関して、興味深く観る事ができた。
ただ、オペラ独特の「濃密な旋律」の中で迷子になった気がしていた。
今回、DVDでの予習もあり、3度目にして余裕の鑑賞
と思っていたけれど。。。
この舞台の演出に圧倒されて、
改めて「オペラにハマる人々」の心境を理解してしまった気配・・・
ほんとうに、オペラという芸術は、奥が深い。
此度の『アイーダ』は、
この新国立劇場のオペラ劇場(オペラパレス)が開場した時に上演された、
「フランコ ゼッフィレッリFranco Zeffirelli」氏の演出による絢爛豪華な舞台の再々演。
今回は、記事も豪華に、彼らの対談を収録いたしました(笑)
満腹だよねぇ。
うん、、、もうデザートも入らないって感じだぜ。
ゼッフィレッリって映画監督でしょ?
なんでオペラなんかを演出するわけ?
彼の師匠は(ルキノ)ヴィスコンティなんだけど、
ヴィスコンティも舞台の演出をした事があって、彼らはその頃出逢っているんだ。
ほら映画の『ルードヴィヒ』なんてオペラ好きじゃ無きゃ描けないぜ。
で、その弟子のゼッフィレッリだって『ロミオとジュリエット』で有名になったけど、
彼は1960年にイギリスでこの舞台を演出もしているんだ。
なんと、その時のジュリエットは、あのジュディデンチだってから驚きだな。
それにしても、この舞台、映画を観ているようだったなぁ
ああ。
舞台は、もっと大きな景色の一部を切り抜いたみたいでさぁ、すっげー不思議。
舞台の外側にもちゃんと世界が広がってるみたいだったね。
だから、凱旋してくる隊列も、ずーっと向こうまでつながっているように見えたし、
その中に馬がいても、驚くことは驚くけど、唐突じゃないんだよ。
ぼく、舞台に馬が出てきたの、初めてみたよ。
しかも、その馬に乗って登場するのがラダメスなんだぜ!俺もやりてー!!
あの有名な凱旋の場面が、客席に対して斜めに作られているのが上手いんだ。
それで、一番客席側には「凱旋の観客」までいてさ、子どもなんか走り回ってて、
ちゃんとパレード警備隊みたいな連中が観客を誘導していたりすんのな。
本当に映画の一場面みたいだったな。
なにしろ、メインの舞台の広さが一階の客席と同じ広さがあるんだって。
あの舞台にはいったい何人の役者が乗っていたんだろう?
例のアイーダトランペットだって10本もあったよね。
すげーぞー、、、ソプラノ23人、アルト22人、テノール31人、バス31人。
その他の「助演」だけで約140人の名前があるぜ。
バレエ団が26人で、そのジュニアが17人。
そうだよ、その子ども達が「アムネリスの部屋」にも出てくるんだけど、
あの場面ってさぁ、今までのどの『アイーダ』よりも華やかで、
それでエルトン&ライス版『アイーダ』のプールの場面に近かった。
て言うかさぁ、このゼッフィレッリの『アイーダ』って、
あのブロードウェイの『アイーダ』の元ネタになっているんじゃないかなぁ。
所々に「これは、あっちでも見かけた」という部分が多くなかったか?
うん、ぼくも同じ事を感じた。
それに、今までみたオペラの『アイーダ』は、ラダメスがちょっとお馬鹿だったけど、
このラダメスはなんか恰好良いんだよ。潔いって言うのかなぁ。
それと、演じた「マルコ ベルティ」ってテノールさんが、すっごく巧いんだよ。
ものすごく近くで歌っているみたいな音圧を感じた。
あのマルコベルティって、イタリアでは凄い人気の歌手らしいな。
けど、ほら、あっちのラダメスだって、役者によっては恰好良いぜ!
歌声もすっごく堂々としているしさぁ。
歌声っていえばさあ、日本のオペラ歌手が凄かったよね。
アモナズロってのはオペラの『アイーダ』ではとても重要なんだけど、
これを演じた堀内康雄が凄く巧くて、ラダメスとの対峙にハラハラしたよ。
この対峙場面の最後も、あっちの『アイーダ』の船着場の場面に似てたね。
日本のオペラ歌手も凄いけどさぁ、バレエも凄かったぜ!
俺の認識不足だったんだけどさぁ、
この舞台で゜バレエを踊ったのってほとんど日本人なんだけど、
もう、日本のバレエの実力って、これだけのオペラを支える力があったのな。
うん、猫ばかり観てないで、もっといろんな舞台を観たいね。
いや、俺は、いろんな舞台に出たいぜ!
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