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2007年12月 3日 (月)

『ブレードランナー THE FINAL CUT』

やがて半世紀も生きて、それほどの達成感も無く、
自慢できる事も少ない我が人生で、大いに自慢できることの一つが、
「映画『ブレードランナー』をロードショーで何度も観ている」
という事かもしれない(笑)
日本では昭和57年の夏に公開されたものの、
ちょうど学生の試験期間中だったこともあり(笑)映画館はガラガラ。。。
そんな中で、私は丸一日この映画を観るという貴重な経験をした。
 (当然、試験は大変な事に・・・)

この映画自体について話すのは厄介だし、
けっして人に薦められる映画ではないけれど、
「SF(映画)とは何か?」
という質問への最も端的で奥深い回答が、この映画なのは間違いない。

それは、でも、けっして「未来」を描いてあるという事でも、
今の科学ではできないことをしているからという事でもない。
 (例えば、この映画の中では「ブラウン管」が登場するけれど、
  それが『ブレードランナー』の価値を少しも損なってはいない)
『ブレードランナー』が魅力的なのは、
「【人】とは、【私】とは、どういう存在なのか?」
という、少々哲学的な問題を背骨にしている点にあると思う。

さらに、この映画を魅力的にしているのが、
「ショーン ヤングSean Young」演じる「レイチェル」というヒロインの存在。
これがもう、やたらめっぽう美しい、麗しい。。。
彼女とハリソン君のラヴシーンは、
みかん星人がもっとも好きで憧れるラブシーンだったりする。
 (「レイチェル」という名前も、「レベッカ」と並んで好きな響き(爆))

今回、DVDが発売される宣伝として、映画館で上映されたのだけけど、
これが、なかなか美しい。
特に、上記のラヴシーンにつながる、レイチェルがピアノを弾く場面は、
呼吸を忘れてしまうほどに美しい。。。
 (が、、、本当は「もっと美しい幻のフィルム」が存在しているとも・・・)
当初は2週間だけの上映だったそうだが、
余りの好評に、一週間延長されて、おかげで私も観る事ができた!
 (実際、劇場は、みかん星人と同年輩のおやぢを中心に8割ほどの盛況)
今週金曜日まで、こちらの劇場で上映中なので、
「幻の傑作SF映画」を観に、映画館へぜひお出かけあれ!!

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コメント

昭和57年の夏…私が生まれる1年前…でも傑作ですから!

私も何度も観ましたよ。ホントに素晴しい映画です。自分が生きた証だとか、人間を形成するのは記憶であるとか、深いです。ある人に『ブレラン』の通常版を観た後に『シャイニング』を観るのはいいと言われました。同じシーンなんですってね。あの空撮。

投稿: カトキチ | 2007年12月 4日 (火) 午後 04時38分

カトキチさん、コメントありがとう。
あの会合のお陰で、観に行く機会を得られました!

そっかぁ。。。カトキチさんより年上の映画なんですねぇ。
傑作映画の寿命は、恐ろしく長いものですねぇ。
 (だから、駄作は作ってほしくないんだよなぁ(笑))

『メメント』なんて映画もあったけれど、
「記憶」というか「過去」ってとっても大切なんですねぇ。
かといって、縛られるのも面倒だし(笑)

そう、通常版のエンディングは、「明るい未来」を感じさせようとして、
『シャイニング』の未使用テイクが流用されたとか。。。
興味深いのは、その「意図」よりも、「クオリティー」だと思います。
キューブリックのフィルムを欲するほどに、BLの映像クオリティーが高かった。。。という事ですね。

ともかく。。。「キューブリック・コレクション」が届きますので、すっげー楽しみです(笑)

投稿: みかん星人 | 2007年12月 8日 (土) 午後 11時30分

まぁでもブレランの魅力はそれだけじゃなくて、「人間を形成する物は何か?」という部分から、「人間とは何か?」を問いかけたり、ラブストーリーとして見ても素晴しいし、ハードボイルドだし、いろんな側面があるんですよね、

今日ブログに書こうと思ってたのですが、私が1番すごいと思ったのは現代思想としての『ポストモダン』を“かっこよく”見せた事でしょう。夢の無い現代として、未来は理想とは違って、どんどん混沌としていって、日本でも金持ちと貧乏の差がハッキリしてるくらい、両極端なものが入り交じってます。

『ブレラン』はその思想を視覚化してかっこよく見せたんですね。夢が無くなった『ポストモダン』を映画の中ではかっこいいものとして、1つの夢として見せたんですよ、

私はそこが1番好きだったりします。深いぜ!深いゼ!

キューブリックコレクションはみかん星人さん経由で私の自宅に届くのかな?(笑)

投稿: カトキチ | 2007年12月 9日 (日) 午後 03時30分

『ポストモダン』とは、難しいものを持ち出してきましたね。
よしよし。。。。

「普通」じゃつまらない。
「秩序」は息苦しい。
だから、ちょっとハミダシたり、矛盾を受け入れたり、無駄を喜んだり。。。
まあ、そういうのが、至極簡単な『ポストモダン』なんだろうけれど、
つまりそういう「なにか新しい思想・製品・仕組み」を求めるのが「人」の性だったり、
或いはその「なにか新しいもの」が(多くの場合)混乱と悲劇をもたらす事を描いたのが、
要するに「SF」なのだ、、、と、私は思うんです。
 (この辺りは、諸般の事情で未公開の『幻詩狩り』という本の記事で書きます)
でまぁ、ゆえにBRは最高のSFだと考えているのですが・・・


まあ、それよりもですね。
私が、なぜ封切り時に何回も観たのかというと、
「タイレルとレプリカントの関係は、創造主の神と人間の関係と同じだ」
と感じたからなのです。
レプリカントは自分の寿命の短さに苦悩し、失われる記憶を嘆くけれど、
それは、スパンが違うだけで、我々人間とほとんど同じ。
レプリカントのように「等しく4年」とは決まっていないものの、
人間にも「死は平等」に与えられているわけです。

さらに、もしかしたら、レイチェルは・・・・?とか考えると、
これはもう、あらゆる場面が愛しく見えてくるわけですね。

ちなみに、私は最初、デッカードは「普通の人」だと思っていました(笑)

投稿: みかん星人 | 2007年12月11日 (火) 午前 12時19分

そうなんですよねぇ、実は『ブレラン』はこれ!という明確な主題が多過ぎて、大変なんですよね。私、ポストモダンの事はなんもわからないんで、本からの知識になりますが、SFってのは昔から、とんでもない事を言うのが基本ですから。映像がどうのこうのではないんですよね、「もしかしたら人間は脳を機械の中にぶちこんで、不老不死になるかもしれない」とか「犯罪者を洗脳して、感情が無くなったらどうなる?」とか、突きつけてくるわけですよ。『ブレラン』もそうですね、あの映画の中でレプリカントなんて、人間よりも人間らしく生きてる。レイチェルは通常版では不老不死なんでしたっけ?

デッカードは…どうなんでしょうかねぇ?それは捉え方になるんでしょうけど、最終的にどっちでもいいように出来てはいますし…

投稿: カトキチ | 2007年12月12日 (水) 午前 01時42分

25年前に劇場公開された時のデッカードは思いっきりモノローグしてて、
まあ、それがまた解りやすかったのですが(笑)
どう見ても、普通のおじさんですものね。
レイチェルも、なんか、長生きしそうなことを言ってましたし。。。
こういう「捉え方」だと、
「普通の人間よりも、良く出来たネクサス6の方が長生きする?」
なんて事まで考えられたりも、するんですね。


ああ、、、届いたDVDを観る余裕がほしい(笑)

そう、SF映画なんてのは「とんでもない」ものなのですが、
それでも「映画の基本」と言える側面も持ってたりもする。。。『月世界旅行』とかね。
最近も、不老不死系SF映画で、こんなのもあったし。。。
http://www.youtube.com/watch?v=NosaVAN7Y1A

投稿: みかん星人 | 2007年12月14日 (金) 午後 07時16分

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