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2007年10月27日 (土)

『元禄演舞「忠臣蔵」』 by Yellow Label

上野聖太くんもその一員である演劇ユニット『Yellow Label』が、
傑作『E.C.』に続く第二回公演として『忠臣蔵』を上演しました。

「忠臣蔵」といえば去年の今頃、歌舞伎の『元禄忠臣蔵』を通し観劇し、
改めて、面白さというか、深さというか、怖さを考えたりしました。
浅野家家臣による「吉良邸討ち入り」の完遂以来、
この事件は多くの人の喝采を受けて、今日まで語り継がれています。
が、「よく考えてみる」までもなく、これは、かなり乱暴で、怖い事件ですね。
ま、今風に言えば「テロ」というところ。。。

この『元禄演舞「忠臣蔵」』 は、まさにその「怖さ」に注目した脚本で、
卓越した冷静な視線といい、取りまとめた脚本の力といい、
創り上げられた面白さを的確に表現した演出・演技といい、
実に刮目すべき大満足の舞台でした!

役者6人のユニットであるイエレベですが、
今回は上野くんが裏方に回ったため、主要な人物は5人だけ。
なのに、その一人、みかん星人大注目の小材くんが演じるのが、「寺坂信行」。
史実では、四十七人で討ち入ったのに、切腹したのは四十六人。
その欠けた一人が、足軽だった「寺坂信行」なのです。。。
この存在が、最初から「妙な予感」を生み出してくれるのです。

一幕は、多くの人が知る「忠臣蔵」。
「江戸方」と「赤穂方」との対立なんかも描かれて、なかなか詳細に進みます。
もちろん、上野介側の描写も丁寧で、柳沢吉保も登場。
 (この吉保を演じる斉藤くんが、最高に面白い、、、んだけど、ギャグが滑る)

そして、いよいよ討ち入りとなる第二幕、、、ここからの展開が凄い!
確かに、今までにもこういう展開の「忠臣蔵」はあったでしょう。
しかし、それを3時間足らずで、しかも21世紀の「いま」も絡めて、
けっして演じる側の自己満足に終わらせていないところが素晴らしい。
この舞台、再演されるのは難しいとは思いますが、
是非とも、更に磨き上げて、「冬の定番」にして欲しいものです。

ところで、、、この舞台を観ていてつくづく思うのですが、
「芸術を楽しむには、多くの基本を知っていないと、面白くない」
という事ですね。。。
この舞台でも「忠臣蔵」を詳しく知っているほど面白いでしょうし、
と、同時に、『天空の城ラピュタ』まで観ていないと、、、なんだもの(笑)
 (でも、やっぱり斉藤くんのこういうギャグは、滑っていくんだよね・・・)
ひとつ舞台を観るたびに、たくさんの扉を見つけてしまうのでありました。

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