『シッコ』
原題も『SiCKO』で、なぜか2文字目の"i"が小文字。
字幕でも、監督脚本製作は『MiCHAEL MOORE』となっているのが、可愛い。
"sicko"はスラングなのか、研究社の英和辞典には載ってないけれど、
日本での「(ほとんど)びょーき」と似たようなニュアンスなのかな?
相変わらずムーア監督の「誘導」はお上手で、見事に論陣を張る。
こういう、ある意味「ディベート」を感じる表現は、
本当は「反駁」があって、より、盛り上がるのだけれど、
実は、その「反駁」は、ムーア氏の(意図的な?)後姿にあったりするのね(笑)
「アメリカって、こんな国だったかなぁ。。。」
という感覚が、テーマの根幹でもあるのだけれど、なんだか凄くかわいい反駁。
考えさせられる事はいっぱいあるけれど、
表面的な部分は、他国の内政なので、どーでも良かったりします。
(『華氏911』などとは、だから、受取る印象がかなり違う)
ここから「わが国」の【国民健康保険制度】を見直してみても埒開かないし。
ただ、イギリスの元国会議員である「トニーベン」氏の言葉は、重いですね。
本当の「民主主義」とは、どういうものなのか?
まさに「考えるヒント」を与えてくれると思います。
さて、、、もうひとつ、ヒント。。。
映画では、カナダ、フランス、イギリスの「素晴らしい医療保険制度」が出てきますが、
これらの国の「税金」は、どれぐらいだと思います?
フランスとイギリスの「消費税」は、フランスが19.5%イギリスが17.5%です。
カナダは6%となっていますが、、、実は「地方消費税」があって、
それを合わせると、州によっては15%になるそうです。
さらに、「直間比率」という問題もあります。
日本では、国の税収に占める消費税の割合が約37%ですが、
フランス、イギリスでは、およそ半分が消費税の税収です。
「あー、消費税で賄っているんだなぁ。。。」なんて思ってはいけませんよ(笑)
例えばフランスの20%に近い消費税による税収が「半分」と言うことは、
つまり、日本の4倍の消費税を徴収しながらも、
それと同じだけを「所得税」などで徴収しているという事、なのです。
アメリカには、国税としての「消費税」はなく、直間比率も95%が直接税です。
つまり、働いた人が生み出した富が国を支えている国家、なのです。
それが「民主主義国家」なのかどうかは別の問題ですが、
「納税者の心境」ということもまた、この映画を見ながら考えておくべきですね。
ともかく、、、面白い映画でした。
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