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2007年6月21日 (木)

『解ってたまるか!』 @ 自由劇場

『ウィキッド』の事をあれこれ反芻しながら汐留を歩いて、
気が付いたら、いつのまにか「自由劇場」の前にいました。
看板には『解ってたまるか!』のポスター。。。よく読むと「千穐楽」との事。
チケット売り場をみたら「A席 2枚」の文字。

そしてまた気が付いたら「モンド・カフェ」の入り口に立っていた私。
ここって、芝居が無いときには開いて無いのですねぇ。。。
「レベッカ様を思い返しながらシャンパンでも」と思っていましたが、断念。
店の前のベンチでブログを更新していると、目の前をいろんな人が通ります。
髭もじゃの、私と同年輩のクセに細くて颯爽としたメガネの男性が通り過ぎます。
・・・この人、いつ、神様になるのかな?、、、なんて、ぼーっと思う私。

その後も、
ふと気が付いたら、横に女神が立っていたりと、素敵な一時間を過ごして、
結局手にしたAチケット(ビック10か?(笑))を片手に、久しぶりの自由劇場へ。

と、まあ、上のは半分フィクションですが。。。
今年、たぶんようやく2度目の「自由劇場」にて観劇しました。
この劇場が出来たおかげで「四季の会」にも入った私ですから、
こんなにもここに来なかったのは、ちょっとした事件です(笑)

さて『解ってたまるか!』のこと。。。

「演劇」には、いくつかのパラメータがあると思います。
歌が多いか少ないか?恋愛が中心のドラマかサイド・ストーリーか?
ハッピーエンドか重苦しい結末か?。。。などなど。
で、この『解ってたまるか!』を特徴づけているのは、
「舞台における【自由度】の少なさ」ではないか?と思うのです。

【自由度】が少ないというのは、脚本の完成度がとても高く、
台詞一つの間違いも許されないどころか、立ち位置さえも変えられない感じで、
「自由劇場」の演目で言えば『鹿鳴館』が似たような雰囲気でした。
 (これの逆が『キャッツ』でしょうね。。。)
その完成度の高い演目が、滑らかに、まるで歯車が回るように動く心地よさ。
『解ってたまるか!』の魅力を端的に言うと、
この「正確に進み、綴られる演劇の美しさ」と言って良いと思うのです。

歪んだ現実を表したかのような舞台は、
私には「レンズ」を通してみた世界の様に感じられました。
この『解ってたまるか!』の舞台では、物語は一つしか進行しません。
「レンズ」を通して切り取った故の、映画を観てるような集中力が、
この舞台装置によってもたらされます。

「物語が一つ」という事に関してもう少しお話しましょう・・・
芝居の中で、時々、二つ以上の出来事が進むことがありますね?
四季好きの人には『キャッツ』の「バストファージョーンスの場面」というと分かるでしょう。
あれは、どこを観ていて良いのか分からなくなります(笑)
『ライオンキング』で、シンバの歌をラフィキが捕まえる場面も似たようなもの。
『レ・ミゼラブル』では一幕の最後の部分ですね、、、
つまり「一方、その頃、あちら側では・・・」といったナレーションが聞こえそうな場面、
「舞台の上に、関連はあるけれど、別々に動く複数の場がある」
というのは、演劇ではよく使われます。
 (もちろん映画でも「カットバック」という技法でこれは確立している演出)

ところが、この『解ってたまるか!』には、こういう場面が無いのです。
「その頃、ライフル魔は、、、」とか、
「銃声を聞いた捜査本部の様子」なんてのは舞台に出て来ない。
それらは電話とかテレビという形で、物語が進む舞台の一部になり、
つまり、観客は、その瞬間舞台で喋って演じている役者に集中していれば、
舞台で起きている総ての事が手に入るわけです。
 (これは『鹿鳴館』でも同じでした)
この集中する感覚が、心地よくもあり、重苦しくもあります。

さて、芝居を観る楽しみの一つに「熟成」があると思います。
役を理解し、表現力を増した役者達が、更に完成度を高くする。
で、それは時には暴走したり、
上着を拾うときに「よいしょ」なんて言ってしまうハプニングももたらします(笑)
ですが、どれほど役者達が熟成しても、いや熟達すればするほど、
舞台には「余裕」が無くなり、一部の隙も無くなってしまう演目があって、
この『解ってたまるか!』がそういう芝居であり、
この日の自由劇場で観られたのも、そういう隙の無い芝居でした。

映画は、何度も撮り直して、監督が考えた「完璧」だけを繋いで作られます。
そうしてつくられた映画は、何度観ても「同じ」です。
 (観る者の熟成によって違って見える事はあるけれど・・・)
が、それと同じレベルで「完璧」を繋いでゆくこの手の舞台には、
「それでもまだ向上しようとする可能性」が潜んでいるわけで、
まことにもって、演劇と云うのは、凄く、恐ろしい、底無の芸術なのです。

劇団四季には、この演目を大切にしてもらいたいものだなぁ。。。

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コメント

やっとTBさせて頂きましたが、どうでしょう?

演劇は底無し…ですね。
同じ劇団での同じ演目を見続けるのは、なかなか叶いませんが、
いずれそのような日を迎えたいものです。

私はたった1つ、『くるみ割り人形』を毎年1つづつ見て3年目ですが、もちろん全て違うバレエ団の公演です。
なぜ『くるみ割り』なのか理由は自分でも解らず、まるで結婚のようだ(縁)と思ったり・笑。

投稿: 葉直 | 2007年7月 3日 (火) 午後 11時12分

葉直さん、コメントありがとう。

TBは、こちらに届いてないようですね。
ここniftyのTBは、時間帯もありますが、なかなか叶えられ難く、
私も10回も「ココログ」に送ったのに届かなかったという経験を最近、しています。
 (相変わらず、無料のブログばかり大切にしているから、、、>nifty)
時間帯を変えて、もう一度仕掛けてくださいまし(^O^)


『くるみ割り人形』ですかぁ。。。観たことがありません。
曲はね『花のワルツ』とか「金平糖のなんとやら」は知っていますけれど、
これをバレエとして観る機会に出合えてないのは、残念。。。

去年は何度かバレエを観る機会がありましたが、
オペラもそうですが、ハマるのがこわくて(笑)
「これはお薦めの『くるみ割り人形』ですよ」
というのがありましたら、教えてください。。。覚悟して向かいましょう。

投稿: みかん星人 | 2007年7月 4日 (水) 午前 07時21分

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