« 『旅』 2007年 06月号 | トップページ | 『旅』 2007年 05月号 »

2007年5月 1日 (火)

『バベル』

「アレハンドロ ゴンザレス イニャリトゥ監督」は、
アモーレス・ペロス』や『21グラム』で有名ですが、
私には『セプテンバー11』の『Darkness』が印象に強い。
あの短編で「映画」を「経験」として存在させ、あの事件を疑似体験させてくれた彼は、
この『バベル』でも「地球」の大きさと距離を感じさせる映画体験を与えてくれた。

ユニークなのは、
織り合わされる4つのエピソードの時間軸が、絶妙にずらされていること。
「悲劇」が横並びに描かれるのですが、実は同時ではない。
「とある出来事」が玉突きの様にもたらす「悲劇」を順番ではなく同時に見せる事で、
「幸福」には文化宗教などによる差異がたくさんあるのに、
「悲劇」には世界共通の「絶望」があることを思い知らされる。

タイトルがなかなかユニーク。
タイトルが映画の中に、間接的にでも、登場しない映画はかなり珍しい。
『バベル』は、映画が描き出すメッセージのメタファーでしかなくて、
タイトルと映画の関係を理解するためには、ちょっとした学習が必要かもね。
これは、なかなか面白いですよ。。。映画としては説明不足ですが(笑)

このタイトルをはじめ、実に深遠な内容を持った作品に思う。
 (例えばどのエピソードにも潜むリビドーの問題とか・・・)
かといって、けっして難解なのではなく、一度の鑑賞で充分な情報を受取れる。
問題は、その情報の多くが「感覚」として届けられることなのかもしれない。

これは、手ごわい映画でした。

そうそう、激しい明滅があって、問題になった場面、
みかん星人は、この部分ではほとんど問題なし。
 (少しは眩惑しましたが、あれはスクリーンに限った事ではないですからね)
むしろ、その少し前の秋千の場面がハイになりそう。
で、実はこの問題の場面こそがとても大切で、
時々音が遮断される演出などを通じて、この映画が「体験」させてくれる典型です。

|

« 『旅』 2007年 06月号 | トップページ | 『旅』 2007年 05月号 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/60933/14939685

この記事へのトラックバック一覧です: 『バベル』:

« 『旅』 2007年 06月号 | トップページ | 『旅』 2007年 05月号 »