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2007年5月31日 (木)

『パッチギ! LOVE&PEACE』

井筒監督の『パッチギ! LOVE&PEACE』を観て来ました。
相変わらずの「収束感」は上手いですねぇ。
前の『パッチギ!』でも、収束感の心地よさ、盛り上がりの面白さを書きましたが、
この続編では、それが「静と動」、「今と昔」の対比で描かれていて、感動的でした。

「感動的」だからと言って「感動した」か、となると、ちょっと違うんですけれどね(笑)

ともかく、ポリシーとスタイルを持った監督の作品は、面白いです。
井筒さんって、本当に戦争が嫌いなんでしょうね。
これ、簡単で当たり前のようですが、
「戦う・戦闘(fight)」と「戦争(war)」はもの凄く違うことであり、
それをキッチリと描き出せる監督は、こりゃあなかなか凄いもんです。

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2007年5月25日 (金)

『正義のミカタ―I’m a loser』 by 本多孝好

400字詰めの原稿用紙で約775枚。(あの『百年の孤独』は約940枚)
その全編において、主人公は脱線することなく「物語」し続ける小説、、、
それが『正義のミカタ―I’m a loser』でした。

私は海外ミステリが好きで、「ハードボイルドだど」って感じの(笑)一人称小説をよく読みます。
それでも、この小説の主人公ほど物語に専念する「僕」に出会った事はない、
という気がしました。
一人称のこの小説は、「僕」が見聞きしたことだけに「まっしぐら」で、
目に映った、だけど物語とは無縁のもの、に関する余談めいた描写などほとんどないのです。
強いて上げれば、渋谷で待ち合わせた女の子に関する描写が出てきましたが、
この描写も、後になって物語、というか「僕」の意識に絡んでいて、余談ではないのです。
更にしかも、この本はミステリ仕立てだけれど、ミステリではなく、
丁寧に読み進めると、結末まで「あら!」と驚く事も無く、すんなりと終わってしまう。

もし、この小説が、
「正義とは何か」を読者に考えさせようと書かれたのなら、あまりにも安直です。
対象にしている読者層と私がずれている、という部分もありましょうが、
初老の私には、ここに書かれている「正義」は遥か昔の問題です。
私と10歳しか違わない著者にも、それは充分に解っているハズだしなぁ・・・と、
そう考えたままでこの物語を読んでしまうと、本当に「安直な小説」としか思えない。

しかし、この物語の強烈な面白さに、次第に解らされてくるのです。
「これは、物語を読む快感を得るために書かれている本なのだ」という事に。
そう、やはりこの小説は「純文学」なのですね。
つまりこの小説は「正義とは何か」を読者に問うという目的を持ったものではなく、
ただひたすら物語を堪能する「純文学」として存在していて、
そういう本としては「たいへんに面白い一冊である」と感じました。

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2007年5月18日 (金)

『クイーン』

2006年【第79回アカデミー賞】の主演女優賞を取った『クイーン』を観てきました。
受賞映画にしては、公開が小規模なのが残念ですが、
まあ「要スクリーン」という程でもないので、DVDでも良いかもしれません。

と、言うのも、この映画の「絵」が妙に狭苦しく、人物アップも多いしで、
映画館で観ているとなんだか威圧されてしまうのです。
でも、この映画で感じた「女王」の生活も、圧力を感じる大変なものでしたので、
雰囲気として、この絵作りは正解なのかもしれません(笑)

「女王」は(たぶん「天皇」も)、気持のどこかで「機関」だと感じていた気がします。
この映画で、例えば寝起きの女王をみると、改めて、
「ああ、、、女王さんも、普通の人間だったのね・・・」なんて思ってしまいました。
まあ、王侯貴族ってのは「そういうもの」なんでしょうけれど、
目覚めた時から「いちばん偉い人」で居るというのは、大変でしょうねぇ。

と、言うわけで、
「ですから、庶民とは違ってあたりまえなので御座います」
みたいなニュアンス。。。もっと言えば、
「こういう地位、こういう見識、こういう伝統あっての英国なのです」
という、かなり保守的なメッセージを秘めている映画のように感じました。

ま、、、上品な「ものまね」というのは、悪くないですね(笑)

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2007年5月15日 (火)

『明日晴れるかな』

桑田佳祐くんのソロシングル、『明日晴れるかな』が届きました。

実は、ドラマも、PVも観ないで、CDでフルを聴けるのを待っていました。
で、待っていた甲斐がありましたよ。。。
やはり、音楽は、こうして正対してして聴きたいものです。
 (で、さっそく携帯できるようにしましたけれど(笑))

凄いのは「 魔法のように 」のメロディー。
「ああ、この瞬間が桑田佳祐なんだよなぁ」と全身が歓喜に痺れる。
その時を邪魔なノイズなしに手に入れる、甘受する、噛み締める。
「私は、本当に音楽が好きなんだ」
と、沸き立つ心を感じながら、理解する。

桑田佳祐くんと同じ時代に生きてて、幸せだなぁ。。。と思うのであります。

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2007年5月12日 (土)

『アイーダ』@新名古屋ミュージカル劇場

と、いうわけで、浅利さんがインタビューを受けている横で書いてました(笑)

新しいグッズが登場していまして、
その一つが「アイーダマーブルフーセンガム」120粒で500円!
福岡での「にわかせんべぇ」的なものですが、
こちらは「オレンヂガム」で有名な丸川製菓さんがつくられたもの。

Marukawa

キャスト的には予定通り。
オーケストラが居ないのも、まあ、思ったとおり。。。
ただ、ちょっと、名古屋の劇場は思った以上に奥行きがあって、
少々迫力が足りない感じがしました・・・R列でしたからねぇ。

阿久津くんがいい感じでした。。。余裕綽々といったところでしょうか。
ゾーザー内閣が「こぢんまり」しているのが、少し残念。
大塚くんは、最高のパフォーマンスでした。
「最高」という意味では、五東アムネリスが素晴らしかったですよ。
寝室での気持ちの変化も見事でしたし、ゾーザーとの対峙も麗しい。

全体にぎこちなく感じるのは、仕方ないのかもしれません。
『アイーダ』の魅力は「群舞」にもあるのですが、
それがもう少し熟すのに時間が掛かるかなぁ。。。「情熱」が欲しいですね。

でも、やっぱりこの物語は痺れます。
細かく見るといろいろと疑問の残る物語なのですが、
やっぱり、この、命懸けの恋物語は、必見ですぞ!!

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2007年5月 9日 (水)

『ラブソングができるまで』

「ヒュー グラント」と「ドリュー バリモア」のラブコメディー、
映画『ラブソングができるまで』を観てきました。

この映画、その面白いところのほとんどが、
上のリンク先にある公式ページの予告編で観られてしまいます(笑)
めいっぱい80年代なPVをはじめ、
原題である『Music and Lyrics』の意味や、大まかな結末も。
ま、そもそも「デート映画」ですから、安心して観られるほうが好い訳です。

80年代=20代の私には、とても楽しい映画で、大笑いして観ましたけれど、
そも、これを「デート」で観る二人は、どんな二人でしょうね(*^^)
80年代を懐かしく思う二人、でしょうか。。。。
若い人が、50歳手前の、売れないミュージシャンの恋愛を観て、面白いのかな?
 (そんな辺りも、私には面白いんですけれどねぇ。。。)

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2007年5月 6日 (日)

『スパイダーマン3』

まあまあ、良くまとまっていたと思います。

敵キャラインフレの法則】というのがあるそうで(笑)
本当にピーターくんは大忙しです。
そのピーターくん本人も「慢心」というか「驕り」というかで、実に有頂天。
「まったく、男って奴は、ほんとにもう・・・」
と、みていて我が身の様に恥ずかしくなってしまいます。
しかも、「謎の生命体」に乗っ取られる前からのご乱行もあったりで、呆れるばかり。

サムライミ監督は、しかし、表情の演出が本当に上手い!
トビーくんの絶妙な表情による演技はもとより、
ライバルのフランコくんの複雑極まりない、
しかし実はとても単純な心理変化の表情による演技は、
「いかにもアメリカン・コミック」的なメリハリで、もう凄すぎます(笑)
 (お陰で、独り不幸を背負っているキルステン嬢は、
  いつにも増して苦手な存在に見えてくるから、参りました・・・)

それにしても、贅沢三昧のCGと、盛大なアクションの割りには、
なにやら「こぢんまり」した物語になってしまいました。
そーねー、、、学内の権力抗争ぐらいの規模にしかみえない。
第一、スパイダーマンって、いま、どんな人助けをしているの?(笑)
警察無線から解放されない生活の割りに、
あまり人助けをしている描写がなかった気がする。。。
敵キャラと戦うのも面白いんだろうけれど、
それでも「ヒーローとして悩む奴」なのだから、
もっと、普段、日常でヒーローしている場面が見たいよね。
 (あのクレーンの暴走事件そのものが、既に特殊な事件なんだもの)

ま、、、ポップコーン映画ですから、あれで良いんでしょう。

とはいえ、、、
「DVDになっても買わないよなぁ。。。1も2も買ってないハズだし」
とか思っていたら、家で1と2のDVDを発見して驚いている私でした。。。

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2007年5月 5日 (土)

風薫る五月、、、

お花見に行ってきました。。。。芝桜というお花たち。

May01  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼくが埋もれちゃうぐらいの絨毯だね。。。いろんな色があるんだ。

May02  

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くまで、ずーっと。。。。歩きつかれちゃう。。。

May03  

 

 

 

 

 

 

 

 

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2007年5月 3日 (木)

映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!』

年に一度のバカ笑い、、、『クレヨンしんちゃん』の映画版を観てきました。

今回は「突然歌いだすミュージカル映画」仕立てで、
秘密結社(らしい)『ひなげし歌劇団』は、まさに宝塚!
大階段ごとトレーラーに乗ってるのは、本当に笑ってしまう。
音楽も「いかにも」という感じの「あと乗り」のもの。。。上出来。

もう一つの面倒な団体は、どうやら国の機関らしいのだけれど、
(ちゃんと)富士山麓に基地があって、小道具もバッチリ。
問題はこの団体名で、、、
「Unidentified Nature Team Inspection」(未確認自然現象監視団かな?)
の略称が「UNTI」で「ウンツィ」と呼ばれているのです。
さて、「国連」の略称はUNで、
その関連では「UNICEF」とか「UNCTAD」というのがありますが、
この場合は「ユニセフ」「アンクタッド」と呼ばれるわけです。
ので、UNTIも「アンチ」と呼ばれるのが、まあ、標準なのでしょうね(笑)

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2007年5月 2日 (水)

『旅』 2007年 05月号

順番が逆になってしまいましたが、『旅』という名の女性誌5月号は、
4月20日に発売されていたもので、特集は「ローマ」でした。

既に「バックナンバー」となってしまった今号ですが、ハッキリ申し上げて「買い!」です。
これの雑誌の事を4月に書けなかった事が、実に悔やまれます。

まず、特集の「ローマ」ですが、これが大変に魅力的な特集です。
1月号の「プラハ」特集号に関しては「写真に『人』を感じない」などと書きましたが、
5月号の「ローマ」では、どのページの写真にも「人」を感じることができます。
旅の大きな魅力は、その町の人との交流にもあると思っていますので、実に嬉しい。
とくに働いている人々、とりわけ飲食店の人々の姿は、わくわくします。
更に、地図がしっかりと織り込まれているのも今号の魅力。
若干硬直した感じの地図ではありますが、イラストも綺麗で楽しいものです。
また82ページの見開き地図は、地図マニアの私でも満足できるもの。
食べ物に関する情報も美味しそうで、胃袋を余分に持って行こうと思いました。


旅 2007年 05月号

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書評

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2007年5月 1日 (火)

『バベル』

「アレハンドロ ゴンザレス イニャリトゥ監督」は、
アモーレス・ペロス』や『21グラム』で有名ですが、
私には『セプテンバー11』の『Darkness』が印象に強い。
あの短編で「映画」を「経験」として存在させ、あの事件を疑似体験させてくれた彼は、
この『バベル』でも「地球」の大きさと距離を感じさせる映画体験を与えてくれた。

ユニークなのは、
織り合わされる4つのエピソードの時間軸が、絶妙にずらされていること。
「悲劇」が横並びに描かれるのですが、実は同時ではない。
「とある出来事」が玉突きの様にもたらす「悲劇」を順番ではなく同時に見せる事で、
「幸福」には文化宗教などによる差異がたくさんあるのに、
「悲劇」には世界共通の「絶望」があることを思い知らされる。

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