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2006年12月14日 (木)

Yuming song musical 『ガールフレンズ』 @ 博品館劇場

ユーミン」の曲だけで綴ったミュージカル、『ガール・フレンズ』を観てきました。
主演は華原朋美さんと、我が愛しの堀内敬子さんのダブルキャスト。
もちろん、当然、堀内敬子さんの舞台を観てきました。

「ユーミンの歌で綴る物語」というと、
思い出す(連想する)のがテレビの深夜番組『季節はずれの海岸物語』です。
普通のドラマの中にBGMとしてユーミンやサザンの音楽が使われて、
その場面を盛り上げていました。
が、この「ユーミンソング・ミュージカル『ガール・フレンズ』」は、
本当にミュージカル・プレイで、しかも、なんと、台詞が無いのです。
傑作『マンマ・ミーア!』はABBAの曲を使いますが、台詞で物語りますね。
最近の『ムーヴィンアウト』はビリジョの曲だけでしたが、
物語が分かり難くて、ほとんどロックコンサートという感じでした。
・・・なんとなく不安を感じつつ、博品館へと。。。

で、総てをユーミンの曲で綴る舞台は、思ったよりも良くできていました。
ただ、無理して曲だけで綴らなくても、
時々台詞を入れて丁寧に語ったほうが、もっと、面白かったと思う。
特に一幕の後半は、大学を卒業して、仕事と孤独に揺れる日々を描くために、
『月曜日のロボット』『巻き戻して思い出を』『街角のペシミスト』
『木枯らしのダイアリー』『XYZING XYZING』
が歌われるのですが、
こんなに曲を使って描く割には物語の進みは少しで、明確でも無い。
そして、これが一番残念なのだけれど、
このシークエンスは、既にユーミン本人のライブで観ている気がしてしまう。
ここは曲を減らして、台詞で展開したほうがずっとよかったのではないかしら?

それでも、映画のようなユーミンの曲を舞台で観ると、
「色恋」という関係に存在する「共通項」が具現されてくるのを感じる。
「喜び」「不安」「愛しさ」「思い出」そんな思いが歌とダンスで描かれるのです。
それらを舞台の上で意識し始めた頃に歌われるのが青いエアメイル
この歌が、たぶん、この舞台の「肝」なのでしょう。

「彼と一緒に外国へ行かないと決めた」その[自立(自律)]を求める心が、
「色恋」よりも自分にとっては大切なのだという事。
続く『サンド・キャッスル』で、「砂上の楼閣」のような関係を否定し、
次の、一幕最後に歌われるガールフレンズにおいて、
もう「けなげ」に誰かに依存したりせず、
励ましてくれる優しい友達に支えられて進み出す自分を再確認する。
千切られて舞台に散っていた「青いエアメイル」の断片が、
華やかなダンスとともに蹴散らされるのが、なんとも心地よい一幕の幕切れでした。

二幕もなかなか面白く、良くまとまっていたと思います。
ちょっとコントっぽい部分があったけれど、まあ、いいか(笑)

良くできた「ミュージカル」には、上手なリフレインが必要なもの。
例えば前出の『マンマ・ミーア!』では、冒頭とラストがそうでした。
この『ガールフレンズ』ではグループという曲がそれとして上手く使われて、
もう少し短く・滑らかに仕上げていたら、このリフレインで叫んでいたかも(笑)
それにしても、
こういう部分で使える曲を『グループ』というタイトルで書いているユーミンって、
やはり、天才なのかもしれないなぁ、、、なんて思ったり。

さて、大注目の堀内敬子さん。。。やはり、素晴らしかった。

ユーミンの曲は、とても癖が強くて、
ユーミン以外の人が歌うと、どーしても違和感を感じるのですが、
堀内さんの柔らかいストレートな声で、正確に歌うと、
「歌」が持っていたもうひとつの魅力までもが浮かび上がってくる感じ。
ユーミンの「癖」が無い分、歌詞とメロディーの関係が明確になるからでしょうね。
冒頭で歌われる『続 ガールフレンド』の、
最後にある「ヒロイン」という部分での堀内さんの音のとり方の上手さ!
今まで、ユーミン独特の「縮緬ヴィブラート」に邪魔されていた部分が(笑)
こうしてようやく届けられたという感じでした。

白眉は、一幕のターニングポイントでの『魔法のくすり』のエンディング。
ヒロインの覚醒を演出するこの部分での美しい編曲は、
もう本当に「堀内敬子のパフォーマンス」あっての素晴らしい場面でした。

隣の、みかん星人と同年輩の女性二人の幕間の会話が面白かった。
「誰が華原朋美とダブルキャストなの?」
「あの元気な子(池田有希子さん)でしょ?
 だって、メガネの子(堀内敬子さん)がいなかったら、この舞台無理だよ」
「あら、でも、メガネの子がダブルだってよ!」
「じゃあ、今日は当たりだったねえ」
・・・いや、華原さんのも良いんでしょうけれど、、、、(^^;;
でも、これって本当に妙なダブルキャストですね。
要するに、華原さんのスケジュールが取れなくて、のダブルって事なのでしょう。
でも、「メガネの子」を堀内さん、「元気な子」を華原さんがやっていたら、
もっとおもしろかった気がします。。。
あ!「元気な子」の池田さんも、めちゃめちゃ歌が上手かったですよ。

堀内さんの素敵な部分は、歌だけではなくて、
驚く様子、そして駆出す動き、ダンスでの指先から回転の綺麗さ、、、
やはり「芝居の基礎」をいろんな部分で感じます。
 (だから、映画に出ていると、妙に動きが変なんだよなぁ・・・)
特に、ダンスでの「指先」の綺麗な動きは見とれてしまうほどでした。

うーん、、、でも、これを観ていたら、
「グリンダ」に一番相応しいんだけどなぁ・・・と思ってしまいました。

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コメント

gashigashiさん、コメントありがとうございます。

2回ですかぁ、、、羨ましい。
しかも、特別アンコールまであったのですねぇ・・・

再演していただきましょう!(笑)

これからもよろしくぅ。

投稿: みかん星人 | 2006年12月27日 (水) 午前 07時51分

堀内さんのガールフレンズ、良かったですよね♪
自分は2回観ました!
またTBさせて頂きます。

投稿: gashigashi | 2006年12月26日 (火) 午後 03時46分

海紘さん、コメントありがとう。
こちらからもTBいたしました、、、、あっちにも(爆)

全員女性の舞台で、確かに二幕のボーイフレンドはコミカルでしたね。
まあ、真理子にはああいう感じが本当は似合うのかもしれませんが。。。
このミュージカルは、なかなか演出が面白かったのですが、
一番感心したのは、ボーイフレンド達の「色分け」ですね(笑)
一方の男の子(役)が、ずーっと赤い何かを身に着けているのですね。
だから、とても分かりやすくて集中できました。

あと、この舞台のプログラムは、とても素晴らしい!
舞台で歌われる重要な曲を取り上げて、
それに関してユーミンと馬場さんが対談しているんです。
これが、本当に上手くて、センスを感じます。

投稿: みかん星人 | 2006年12月20日 (水) 午前 10時43分

 こんにちは(^-^)トラックバックさせていただきました。

 本当に、素晴らしかったです<堀内さん(^-^)
 私もたまたま、堀内さんの回を観に行って、
 誰が堀内さんかもわからずに
 第一部を見終わったので、
 きっと「元気な子がダブルキャストだ」と思っていました。
 幕間にパンフで見て驚きましたよ(^^;;;;
 私は、誘うような『FOCUS』にドキドキしました。
 あんまり派手な曲じゃないけど、大好きな『PEARL PIERCE』に
 おさめられてるお気に入りの小品。
 勝手に、「この中のカップルは絶対ゴールインして欲しい」と
 思ってたので、ちょっと残念だったけど・・・(^-^;;;

 このメガネの子と文化系少年の恋はきゅんと来ました。
 『悲しいほどお天気』も狙い通りだったし、
 『木枯らしのダイアリー』も印象的でした。
 元気な子と遊び人のカップルも
 『彼から手を引いて』に始まって
 ちょっとスローな『天気雨』、
 『冷たい雨』のち『潮風にちぎれて』と
 (この曲も大好き!私も気の強い女の子の歌だと思います)
 ステロタイプだとしても、その瞬間瞬間を捉えれば
 こんなにきらめいてるのだと、
 恋の醍醐味を感じました。
 

 本当に二人とも歌唱力抜群で、
 それだけで満足でしたわ(^-^)

 物語の終着は、あまり好みではなかったけれど・・・
 『星空の誘惑』で誘ってくれる男の子が、
 もう少し素敵だったら良かったのにo(>_<)o


 
 
 
 
 

投稿: 海紘 | 2006年12月19日 (火) 午後 10時59分

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