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2006年12月30日 (土)

『プラダを着た悪魔』

3年前のベストセラー小説が原作だそうで、
『セックス・アンド・ザ・シティー』の監督と衣装が関わって作った映画。
故に「トレンディー・ドラマ」的な匂いがありますが、
「身に覚えのある事を大笑いしてストレスを解消するコメディー映画」の様相があって、
デート映画というよりも、女性同士で観に行くタイプの映画かな?

主演クレジットは、名優の「Meryl Streep・メリル ストリープ」。
次のクレジットは、可愛い「Anne Hathaeay・アン ハサウェイ」。
ハサウェイ嬢は『プリティ・プリンセス』で「ジュリーアンドリュース」と競演して、
なかなか共演者運が良い役者さんですね。
男優では、
いつも微妙に損な役回りが似合う「Stanley Tucci・スタンリー トゥッチ」が素敵。
こういう役者さんって、日本で言えば竹中直人さんですかね。。。
あ、そか、『Shall we Dance ?』では同じ役だから、そう感じるのかな。。。

この映画『プラダを着た悪魔』のお話を聞いて、
私は名作映画『麗しのサブリナ』を思い出していました。
『麗しのサブリナ』で、サブリナがパリで経験したことがこの映画という感じです。
いや、オードリー版の『麗しのサブリナ』1954年ではなくて、
むしろ、オーモンドとハリソンくんの『サブリナ』1995年の方が近い感じですね。

ともかく、女性が輝く時を捕らえた可愛い映画で、
数年に一度は、時代を映して、こういう映画が作られるものですね。
たとえば、、、『ワーキング・ガール』とかね。

さて、この『プラダを着た悪魔』ですが、
単なる「憂さ晴らし映画」かと思うと、それほど単純でもありません。

この映画は、
冒頭のタイトルバックからして、大変に上手くテーマを表現しています。
それは、至極簡単に言うと「目的意識」という事になるかと思いますが、
「自分が求めるものを理解して、それを達成するために邁進する」
という事の大切さをこの映画は冒頭から描き出すのです。

社会には「酷い上司・現場」「愚かな取引相手」というのがいるのでしょう。
ですが、その「酷さ」「愚かさ」は、時に、
自分の「未熟さ」や「慢心」に原因がある事も多いものです。
仕事として「当然の努力」なのに、それをさも「たいそうな努力」と思っていたり、
人々が「積み重ねた結果・成果」を軽々しく考えたり
、、、逆に恭しく扱いすぎたりもして・・・
ともかく、自分を見失っていたりすることが、よく、あると思います。
ですが、
いつだって大切なのは、「その場に居る自分」を理解することですし、
「そこから、どこかへ向かおうとしている自分」を意識する事なのですね。
・・・ちょっと抽象的かな(笑)
つまり、
「そのポジションに居る以上、求められる総ての事は成し遂げねばならない」
という事ですし、それを【仕事】と呼ぶのだという事ですね。

そこで大切になるのが「決意」というか「決断」なのです。
で、この映画では、
幾つもの「その時」とは解り難い決断ポイントが絶妙に織り込まれ、
それが実に上手い伏線になっていて、凄いなぁ、と感じたのです。
無意識だろうと、意識していようと、「決断」は決断なのだという事。
更に言えば、
「しっかりと決断して、目的をもって日々を過ごさないと、無駄だ」
という事を、冒頭から最後まで表現し続け、逸れる事がないのです。
これは、
ストリープ演じるミランダ編集長の実力がしっかり描かれている事、
トゥッチが演じるナイジェルの「プロ意識」が心地よく表現されている事、
というか、登場する総てのキャラクターが、
【仕事】という部分に限らず「ずるくない」というのも重要かもしれませんね。
例えば、ハサウェイ嬢演じるアンドレアを教育する「エミリー」は、
なんだかんだ言っても「意地悪」をするわけではなくて、
もちろん自分の保身と云う目的がありますが、
狡い事はしないし、ちゃんと指図する、、、これも気持ちいいし、
この様子を通して「意思を持って仕事をする」事が心地よく描かれていました。

さて、そんな心地よいこの映画で、一点だけ気に入らない部分がありました。
それは、彼の元に戻ってきたアンドレアが、彼に謝る事ですね。
この彼氏・ネイトは、一流のシェフを目指して努力し、
同棲している彼女にも美味しい食事を作ったりと、これまた良い男。
「ファッション業界」に取り込まれてゆく彼女を見守り、
やがては彼女との関係もギクシャクしてしまうという設定ですが、
だからといって、彼氏の方が「正しい」というわけでは無いハズなのです。
ヒロイン・アンドレアは、さまざまな事を経験し、そして、
「私に必要なのは何だったのか?」
を自分なりに決断して、そして彼の元に戻ったのですが、
その過程で得た経験は彼女にとっては「必要な経験」だったわけです。
なのに、戻った時に「ほら、僕の言った通りだろう?」という顔を彼氏がしたり、
「貴方の言っていた事が正しかった」とアンドレアに言わせる必要は無いのです。
自分の経験から下した結論をもっと大切に描いてほしかったなぁ。

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コメント

今年もよろしくお願いします。。。です(*^-^*)

この映画、大好きです。
私の憧れがぎっしり詰まった映画だから。
ってみかん星人さんのレポを読んでいて気がつきました(笑)

20代くらいの働いてる女性には、お尻に火をつけさせる代物かと、思いました(*^^)

投稿: るい | 2007年1月 2日 (火) 午後 09時33分

るいさん、コメントありがとう。

この映画は、
「いま」を生きている女性に是非観ていただきたいですね。
少なくとも、おぢさんから観ると、
あの編集長が仕事に関して発言していることは、
総て「正鵠」だと思いますし、
その中の「公私混同部分」を見事に撃退できるなら、
かなり素敵な社会人になれる気がします。

とか、書いている私は、会社員の経験が無いのですが(笑)

今年もよろしくです。

投稿: みかん星人 | 2007年1月 2日 (火) 午後 11時43分

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