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2006年11月22日 (水)

『知ってトクする確率の知識』 by 野口哲典

嬉しいことに、知らないことがいっぱいある。
「確率」という数学の分野が飛躍的に向上したのは、
パスカルとフェルマーによるギャンブルに関する研究がもとなのだそうだ。
知らなかったなぁ、、、パスカルとフェルマーだったのかぁ。

ともかく、そう、確率を学ぶのは、勝ちにつながるのだ(笑)・・・

この『知ってトクする確率の知識』の主眼もこれ・・・らしい。
著者が「はじめに」で述べているのは、「確率を学んで成功しよう」ということ。
それを主眼に書かれている第2章で【成功のポイント】が語られる、、、曰く、
目標を定める』『実行する』『続ける
まあ、カーネギーもそんな事を言ってますから、これは普遍的でしょう。
大切なのは、この本がこのポイントを「確率」を使って説明してくれる事。
・・・なのですが、この辺りがとても貧弱なのです。
この本は、ここから急激に「確率」と離れ始めて、
情報を集めて目標を明確に」とか、
勇気を持って始めよう」(『マンマ・ミーア!』かい!(笑))とか、
いますぐ始めよう」「そして続けよう」「成功をイメージしよう」とか、
あげく「失敗は成功の元」「プラス思考が大切」などと、
まるでカーネギーやナポレオンヒルみたい(笑)

もちろん、そこにおいて「確率」は語られています。
0%は永遠に0%」とか。
成功確率50%を5回実施すれば97%成功する」とか。
3割バッターが4回打席に立ったら76%の確率でヒットを打つ」とか。。。
でも、たったこれだけ、なのです。。。

じゃあ、この本は「つまらない」かというと、、、、

実は、3章以降の後半が、なかなか面白いのです。

・ジャンケンで必ず勝つ方法
・お見合いパーティーでの必勝(?)法
・『ザ・チャンス!』の様な三択での必勝方法
・食玩コンプに必要な購入個数
・宝くじの「当たりやすいイニシャル」に隠された嘘
・ナンバーズで「前回の数字」が「今回の数字」とダブル理由
・ツキの正体
・友達の友達が友達である確率

と、なかなか面白い話題が満載。
特に私が中学で受けた数学の授業で驚いた、
誕生日が同じ日の人と出会う確率
に関しては、その愉快な利用方法も含めて、改めて面白かった。

この本にあまり魅力を感じない大きな理由は、構成の悪さにあるのでしょう。
タイトルに惹かれて手にして、最初に出てくるのが、
数学的確率」「統計的確率」「大数の法則」「場合の数」「順列」「組み合せ
という、いかにも面倒な言葉との格闘場面なのです。
これでは読む気をなくしてしまう。
最初から、上に掲げたような「面白そうな読み物」として始まって、
それが次第に深まり、理論に結びつくという構成にしておいて欲しかった。

この本で、最高に面白いのは、最後のパートでしょう。
「幽霊が存在する確立」に関するこの最終パートでは、
「幽霊が存在する・しない」という前提に対して疑問を呈している。
つまり「明確に定義できないものに関しては確率は使えない」と云う事。
だとすれば、
成功」という言葉も、実は、明確に定義できないのではないか?
よく「人生の成功者」という言い方をするけれど、
それは必ずしも「富」や「名声」を基準にはしていない。
人それぞれの価値観の中で「成功」が問われる。
この本は、副題において、
「成功するにはワケがある!」と謳って、そこに確率を当てはめようとしたが、
この大上段の構えが、敗因になっている気がして仕方ない。。。残念。


知ってトクする確率の知識 成功するにはワケがある!
  • 野口哲典
  • ソフトバンククリエイティブ
  • 945円
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書評
【書評リンク】
週刊明るい空 by 明るい空さん
らいおんの隠れ家 by Lionfanさん
じょんたまのDOS/V共和国 by -ジョンの魂-さん
Bookshelf by kany1120さん
さつませんだい徒然草 by おたこはん
ハチの巣で物語を by シルフレイさん
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コメント

みかん星人さん、はじめまして。僕もこの本に関しては同じような感想でした・・・。ところでフェルマーに言及されてますが、「フェルマーの最終定理」byサイモン・シンはお読みになられていますか?自然科学系では未だ自分のBEST、なのですが・・・

投稿: 旦那@八丁堀 | 2006年11月23日 (木) 午後 06時01分

旦那@八丁堀さん、コメントありがとう。

『フェルマーの最終定理』はとても評判がいいですね。
いつか読みたいのですが、、、さて、私の頭で解りますかどうか(笑)

「自然科学系」という言葉で、
ファラデーの『ロウソクの科学』を思い出したみかん星人でした。

投稿: みかん星人 | 2006年11月23日 (木) 午後 09時59分

みかん星人さん

TBありがとうございます。『ロウソクの科学』も懐かしいですねぇ。実はこの手の本の執筆のお手伝いをしたことがあるので、この本の構成わかるんですよ。書き手は理系発想、編集は文系発想。で、微妙な食い違いがあってそこのアンドをとろうとすると無難なこの手のパターンに落ち着いちゃう。そんな感じです。とりあえず数人の中高生に見せましたが好評でした。大人向けというより中高の副読本によさげな本ですね。

投稿: 明るい空 | 2006年12月15日 (金) 午前 11時02分

明るい空さん、コメントありがとうございます。

》中高の副読本によさげな本
なるほど。。。そうかもしれないですね。

授業って、理屈っぽくて、興味をそそられる部分がほとんどなかったですね。
でも、例えば、
「自動車を追い越すときの可否の判断は経験則で行うけれど、
 計算でそれを判断するときには微積分を使う」
なんて事を教えてもらうと、急に数式に意味を感じたりします。

この本は、たぶん、そういう効果を狙っていたのでしょうね。
事例が面白かっただけに、本当に惜しいと思いました。

これからも、よろしくです。

投稿: みかん星人 | 2006年12月16日 (土) 午前 01時32分

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