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2006年10月10日 (火)

『イルマーレ』

オリジナルは韓国映画の『イルマーレ』で、「海」のこと。
で、こっちの原題は『湖の家(The lake house)』と、「湖」が舞台。
かくして、実は、いろんなところで違っているわけであります。

上のリンク先にも書いたように、
みかん星人はオリジナル版の顛末が気に入っていません。
全体の構造が素晴らしかっただけに、あれはいただけませんでした。
で、このハリウッド版。。。なかなか良い結末に仕上げていました。
さらにその結末を導くために変わったのが、ヒロイン。
オリジナルのヒロインは「声優のタマゴ」で社会的に中途半端でしたが、
ハリウッド版のヒロインは「ドクタ」であり、
それがこの映画の中で重要なポイントになっていました。

基本的にこの『イルマーレ』は時間を扱った物語です。
2年の間を隔てて交流が深まる、ボーイ・ミーツ・ガールなお話。
もっとも、そんなに若くなくて、適度に傷ついている。
傷ついているからこそ、慎重になる、、、
という部分でこの「2年の隔たり」が実に上手く絡む。

オリジナルでは、
最後まで【時間】は「壁」として存在し、「諦観」の様に重くのしかかる。
「踏み出せない」「ためらい」「出来ない」「無理」「怖い」、、、
そういった理由を「時間」に押し付けていた。
が、ハリウッド版は、
さすが「セラピスト」のお国柄(笑)
「だけどもしかしたら今度は」「どうしても欲しい」という気持ちの下で、
【時間】という壁は次第に取り払われてしまう。
・・・もちろん、それが良いのか悪いのかは、観てからのお楽しみ。

ハリウッド版は、だから、
「時間モノ」というよりは「困難な状況下の恋愛映画」になっていて、
途中から時間差の事なんかどーでもよくなってしまう(笑)
それと、オリジナルにあった「孤独感」も、
2人の周囲に魅力的な人を配することで消されている。
特にキアヌ君が演じるアレックスの父親の存在は大きい。
「クリストファー プラマー」という名優を配することで、
映画全体から温かい風が吹いてくるようだ。
 (お陰で、パラドックスが二つほど増えてしまったけれど・・・)

白眉は、ダンスシーンだろう。
ポールのBGMが最高に素晴らしいのだけれど、
この場面を加えることで、ラストへの疾走感が高まるのが上手い。
・・・ただし、こんなダンスを記憶していないというのは、問題かな(笑)
ダンス前の長回しダイアローグもとても素晴らしい。

映画に登場する二つの作品に関して・・・
まずは、テレビで放送されている白黒映画。これは『汚名』。
我が最愛のG.ケリー様と、我が憧憬のC.グラント共演の名作。
とても長いキスシーンでも有名な映画ですが、
これが『イルマーレ』に出てきた理由は、いずれ『汚名』に関しての際にでも。
もう一つ、とても重要なアイテムなのが『説得』という小説。
「ジェーン オースティン」が書いたこの小説からは、
とても重要な引用がされていて、それがこの映画のメッセージにもなっていた。
オースティンの著作では『高慢と偏見』が『ユー・ガット・メール』に出てきましたし、
『ブリジット・ジョーンズの日記』や『プライドと偏見』という映画にもなっていますね。
なかなか重要な小説家のようです。。。文庫になったら読んでみよう(笑)
しかし、、、この本、どーやって、あんなところから、ああなったのかしら?(*^^)

さて、ヒロインの名前は「ケイト」、、、
時間モノで「ケイト」というと、こちらもそうでした。
たぶん、アナグラムなんでしょうね。。。「時計」の(爆)

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コメント

ほっほ~~なるほどです~~。
イルマーレってイタリア語で海って意味だったんですね。
海を湖に変えて、『イルマーレ』って店の名にってうまいこと使ってましたね。
海でも湖でもどちらも景色が綺麗だったです。

もうひとつの”ケイト”
こちらも好きな映画です!
こちらはヒュー・ジャックマンの”こてこて”がかっこよいですね(^O^)
あっさりでもこてこてでもどっちも好きなんですよ(笑)

投稿: komame | 2006年10月24日 (火) 午後 01時23分

komameさん、コメントありがとう。

そう、、、『イルマーレ』というタイトルの意味を知らないと、
あのレストランでの場面がとても重要なのか?
なんてミスリードしてしまいそうですよね。
あえてタイトルにこだわらなくても良かったのにね。。。

ちなみに、、、、こんなお店があるようですよ。
http://sumibiyakiniku.com/shop4/saishu.php?shop_cd=00077&rt=a


ヒュー君も、不思議な役者さんですねぇ。
ヒゲ男のミュータントだったりもするのに、
すっごく歌が上手くて『オクラホマ』なんかもやっているのね。
いよいよ今週から、ヒュー君の出世作、
『ボーイ・フロム・オズ』が東京ではじまります。
楽しみだぁ・・・

投稿: みかん星人 | 2006年10月25日 (水) 午後 11時07分

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受信: 2009年9月29日 (火) 午前 12時50分

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