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2006年10月15日 (日)

『オクラホマ!』 @ 日生劇場 by 宝塚歌劇

宝塚歌劇を観て、はじめて感動してしまいました。

もちろん『オクラホマ!』という演目の面白さに因る部分もありましょう。
が、この天下の名作を的確に表現する「宝塚歌劇」という劇団の底力に、
「やはり、本当に、ものすごく、最高に、素晴らしい劇団だ」と感じ、
その部分にも強く感動してしまったのです。

それにしても、専科の轟悠さんは、特別に上手いですねぇ・・・
まさに「男」として存在してしますし、それを「理想」と感じるのもよく解りました。
彼、、、じゃない、轟さんに率いられての群舞がまた素晴らしい。
30人ほどがいっせいにジャンプするのですが、着地の音がひとつしかしない!
もうおそろしい程のシンクロで、これだけでも感動してしまう。

更に素晴らしいのが「音・音楽」!
この演目では、途中にダンスパーティーの場面があることから、
楽団が舞台の後ろに設置されています。
ですから、指揮者が直接演技を見られませんし、
役者も指揮者を見ながら演技する事も無い。
それなのに、まるでアフレコをしたかのように見事に音楽が乗る。
しかも、音響さんのテクニックもあってか、音の強弱が実に巧い!!
台詞のニュアンスを最高に生かすタイミングと音量が実現されている。
・・・本当に、夢を見ているみたい・・・素晴らしい。

『オクラホマ!』は、第二次世界大戦中1943年に公開された作品で、
ブロードウェイというよりも「ミュージカル」にとって画期的な作品だったそうです。
まず、しっかりとしたメッセージのある物語があるという事。
そして、その物語にそって曲が作られたという事。
さらに、ダンスもその物語に沿って演出されていて、
それまでの「ミュージカル・コメディー」が、
「ミュージカル」という文化に変わった瞬間だったのです。

実際、この宝塚版『オクラホマ!』を観ても、映画版を観ても、
今日上演されているミュージカル舞台たちと基本的には変わらす、
この作品が60年以上も前に制作されたとは思えません。
 (1935年にガーシュインが書いた『ポーギーとベス』は完全に古臭かった)
伝統を当たり前として過ごす中にやってくる「都会の風」と「流行」。
「恋愛」と「結婚」の関係。
そして「女性」が自分らしく未来を見据えることの難しさ。
もちろん、男が背負っていることや、男が行う虚しいことも(笑)
この『オクラホマ!』にはしっかりと描かれていて、
つまりは「明日」を前向きに迎えようとする力に満ちている作品なのです。

さらに、公開された当初は、戦地に赴く兵士にとって、
「俺の故郷」を強く意識させる舞台だったようです。
タイトルも「オクラホマ」と地名であるのがポイントで、
いろんな意味で、アメリカの「原点」を感じさせる作品なのですね。

それを、こうして、素晴らしい状態で観られるのですから、幸せです。

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