『王と鳥』
アニメーション映画『カリオストロの城』を映画館で観た時の衝撃は、
今も忘れられない。。。吉祥寺の映画館だった。
尾道を舞台にした、これまた大好きな『転校生』との併映で、
お目当てはむしろ『転校生』だった。
もちろん、子どもの頃から映画を撮っていた私には『転校生』も素晴らしかったし、
「尾道」という街にもとても憧れたが、、、それはまた、別の話。
ともかく『ルパン三世・カリオストロの城』は圧巻だった。
ルパン三世をはじめとするキャラクターの描かれ方も良かったが、
ともかく「カリオストロの城」という舞台が、凄かった。
長く、その舞台は、宮崎監督の完全なオリジナルと信じていたが、
ここにきて、その本当のオリジナルに触れることとなった。
それが、紆余曲折を経て、それでも1980年に完成したこの映画、
『王と鳥』なのです。
細かい話は、こちらのサイトをご覧頂くとして。。。。
(特に予告編は必見!!!)
この映画には、宮崎監督や高畑監督の原点が数多く、ある。
上に書いた『カリオストロの城』は、その城の構造そのもの、
とりわけ「落とし穴」や「エレベーター」に、「オートジャイロ」もそうでしょう。
『風の谷のナウシカ』に登場する巨神兵。
『天空の城ラピュタ』で暗躍する秘密警察。
『未来少年コナン』で描かれた三角塔の地下住民。
いや、三角塔のディテールにも、この映画は潜んでいる。
『王と鳥』の物語は至極単純で、
登場する誰もが、階級や立場のメタファーですから、
(そういう意味では、『もののけ姫』の構造も、この映画の換骨奪胎)
キャラクターのディテールを描くことは省かれて、
キャラクター同士の位置関係(位相)と、
そこから生まれる物語の流れ(ベクトル)が描き出される。
それは、よくできた「論」を読むような感覚だったり、
歴史上の事実を後世の学者が解読すような面白さが、ある。
ともかく、この映画は必見中の必見です!
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