『オペラ座の怪人』 @ 海 by佐野ファントム
新しいファントムの登場を観られる機会は、そうそう無い。。。と、勝手に決めて、
忙しかったり、
いろいろしている昨今(後日、書くかもしれません)にも関わらず、
ええ、、、行ってきましたとも。。。。汐留まで。
もちろん座席はBですので、双眼鏡持参です(笑)
佐野さんといえば、思い出すのが「マガルディ」と「ビースト」。
「マガルディ」はともかくも、
「ビースト」は【タイトル・ロール】で【被りもの】(笑)
私は「石丸ビースト」、「柳瀬ビースト」、そして「佐野ビースト」を観ましたが、
最も可愛かったのは、はい「石丸ビースト」さんでした。
拗ねる感じなど、まさにプリンス。。。。天然だったのね(笑)
「柳瀬ビースト」は、なぜか諦観入っている様に観えましたっけ。
で、「佐野ビースト」は、もう、歯がゆい、切ない、やるせない、、、
「自分を持て余す」という加熱しっぱなしのボイラーみたいなビースト。
さて、、、そんな佐野さんが演じるファントムとは。。。。
まず最初に感じのが、
「無理して歌わない」というスタイルですね。
地下の隠れ家にクリスティーヌを誘った時に、
「歌え!私のために」という歌詞がありますが、
佐野さん、ここは無理にメロディに乗せず、
殆ど台詞の様にしてクリスティーヌに投げかけるのです。
これは、全般で感じたスタイルで、
つまりは「語るように歌うファントム」が登場するわけです。
もちろん「皆が待つ」とか「選べ」なんてのは、メロディアス。
けど、最後のとても大切な台詞では、
たとえば村ファントムが「行ってくれ!」と歌い上げるのとは違い、
殆ど絶叫するように「行ってくれ!」と言うのです。
みかん星人は、不覚にも、ここで感涙(笑)
いやぁ、、、『オペラ座の怪人』で泣かされるとは思ってもいませんでした。
佐野ファントムは、ですから、歌い上げるというよりも、
ごく普通に、「マガルディ」が歌う程度の技法で歌います。
で、みかん星人はそれがとても「良い」と感じました。
高井さんの様に「完璧」とも感じられる歌唱ですと、
どうしても「ファントムのダークサイド」が見えてこない気がするのです。
ただ、
「ここだけは美しく聴かせて欲しい」と思う場面、
例えば『ミュージック・オブ・ザ・ナイト』の最後の部分などは、弱い。
というよりも、佐野さん、「N」の音に弱いですね。。。。
「なかに・・・」の「な」の音に品性を感じないとか、
それこそ「にー」と伸ばすその出だしの「N」をしっかりと聴かせてくれない。
ま。。。それは仕方ないでしょうか(笑)
仕方ないといえば、、、、佐野ファントムの最大の特徴は、
「顔が怖い」という事でしょう。
『オペラ座の怪人』を歌っているところを双眼鏡で眺めていると、
これがもう、実に怖い顔なのです(笑)
特に、下手を向いた時の顔・・・つまりマスクの無い側ですね(爆)
むしろ、上手を向いてマスクが主体になると、とても穏やかに見える。
村ファントムですと、ちょっと温和そうな顔の右側が隠れていて、
その見えない部分には「優しさ」が失われているであろう事を感じると、怖い。
高井ファントムの場合は、余りにもマスクが似合っていて、、、怖い。
が、佐野ファントムは、マスクに覆われていない部分が、、、怖い。
で、そう、二幕でマスクがはがされると、、、、とても、怖い!
それが、細身の、長い脚の、長身の体に乗っているから、マジ怖い!
まくまぁ、クリスティーヌはキスが出来るものです(笑)
そうそう。。。佐野ファントムのマスクは、鼻がとても細かった。。。
全体に言えるのは、佐野ファントムの「芝居の上手さ」でしょう。
歌唱力に頼らず、感情をたっぷりと乗せた台詞の様な歌と、
大きくて溌剌とした体の動きは、
ファントムの内面をとても分かりやすく伝えてくれます。
唯一「惜しい」と思ったのが、ゴンドラの中での演技かなぁ。。。
ここは村ファントムの独壇場かもしれませんね。
あと。。。。対する北澤ラウル君ですが、
相手が佐野ファントムだと「真っ向勝負」が出来そうで、面白い。
高井さんのファントムが相手では、敵いっこないって思ってしまいますからね(爆)
最後に、西さんのクリスティーヌ。。。
なんか、昔の日本映画に出てくる女優さんの様な綺麗さがありますね。
『スィンク・オブ・ミー』ぐらいのテンポですと、本当に見事な歌声。
ただ、台詞的なニュアンスが出てきたり、ちょっと速いテンポだと、
急激に腰が砕ける感じで、、、まあ、ともかく、綺麗です(爆)
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コメント
チロルさん、コメントありがとう。
さて、ファントムとなった佐野さん、
今後もビーストやマガルディーをしてくださるのかしら?
少なくとも、もう、彼のラウルは観られない?
なんだか、寂しいですね。。。
そう、本当に「芝居」が心に残る佐野ファントム。。。
更なる進化が楽しみですね。。。
投稿: みかん星人 | 2006年8月22日 (火) 午後 11時42分
TBありがとうございました!
佐野さんは他にラウルでしか拝見したことがないので、
みかん星人さんのおっしゃる
ビーストやマガルディなどでも観てみたいです。
村さんも高井さんもバリバリの歌唱派なので、
それに慣れていると、佐野さんのファントムに
違和感を感じる部分もあるかと思いますが、
丁寧なお芝居が好印象でした。
多分、また通うと思いますが(笑)、これからも
お目にかかりたいものです☆
投稿: チロル | 2006年8月21日 (月) 午後 08時31分
風流さん、コメントありがとう。
今までのファントムには「匂い」が無かったと思います。
(大きな声では言えませんが、要するに芝居が中途半端)
ですが、佐野ファントムは「ムンムン」してますよ、、、欲望が。
そして、その欲望に身を焦がす姿がなんともいじらしく、
私にとってはとても共鳴できる存在でした。
西さんって韓国の方なのですかぁ、、、なるほど。
ともかくアリアでの歌い上げが大変に美しかった。
それに、そう、「原節子」とか「京マチ子」的な美しさですね。
そういう意味では、彼女のアムネリスを期待してみたい。。。
投稿: みかん星人 | 2006年8月15日 (火) 午後 05時06分
hirocatさん、コメントありがとう。
うらやましいでしょ?(爆)
自分でも「贅沢しているなぁ」と思いましたもの。
や、でも、「オペラ」なんてこんな機会が無いと観ませんしぃ、、、
(とか言って、今年三回目ですが。。。)
佐野ファントムは、高井さん、村さんとは明らかに違いますが、
そのひとつに「観客も気楽に見られる」という違いもありましょう。
良い意味で「緊張感の無いファントム」と言えるかもしれませんね。
投稿: みかん星人 | 2006年8月15日 (火) 午後 05時04分
komameさん、コメントありがとう。
キャラメルの『雨と夢のあとに』(@旧MBS劇場)もよろしく(笑)
そう佐野さんと言えばラウルですねぇ。
私が見たのは「石丸ラウル」「柳瀬ラウル」「北澤ラウル」、
そして「佐野ラウル」でしたが、どれも個性的です。
中でも佐野さんは、
ラウルの時からフラストレーションが溜まっている感じでしたが(爆)
それがファントムになってますます露わになっていた感じでした。
『オペラ座の怪人』、この次は大阪かな。。。お楽しみに(^o^)
投稿: みかん星人 | 2006年8月15日 (火) 午後 05時03分
すごく気になっていた佐野ファントムの姿をこんなに早く読ませていただけて嬉しいデス!
お芝居が上手い、とのことで観てみたくなっちゃいました~・・・と言ってもオペラ座のチケットは手元に無いので楽までに狙って行かなきゃ;
西さんのクリスは私も台詞は少し気になりマシタ。韓国人にしては訛ってないので頑張っているとは思うんですけど、見た目と歌唱力の面で気に入っているので台詞と演技がさらに良くなったらベストクリスになりそうで期待中デスvvv
投稿: 風流 | 2006年8月10日 (木) 午前 12時16分
うらやましい〜!!
キャスト表で佐野ファントムの名前を見て「おーーー!!」と声を上げました、私。。
私が勝手に想像した佐野ファントム、「あの濃い顔でいいの?」「歌は・・?」の疑問に、みかん星人さんがしっかり答えてくれました。
やっぱりねぇ....怖いってはわかるような気が...笑
高井さん、村さんとは明らかに違うキャラだと思うので、やっぱり見てみたいです!!
投稿: hirocat | 2006年8月 9日 (水) 午後 04時40分
おひさしぶりでーす。
怖い顔・・っての笑ってしまいました^m^
昔見て、私の中では佐野さんラウルなんですが、マスクで覆われてない部分が怖い!ファントムも見てみたいです。
投稿: komame | 2006年8月 9日 (水) 午後 01時32分