『白鳥の湖』 by パリ・オペラ座バレエ団
この歳、44歳になって、
ようやく「芸術」を楽しめるようになったのかもしれない。
ただそれは、所謂「分かる」というのではなく、
ただひたすら「美しい」という感情に溺れるという気持ちに近い。
この夜堪能した『白鳥の湖』は、
ただもうひたすらに「美しい」と感じていた。
そして、またしても隣で鑑賞していた人に笑われたけど、
「こんなにも面白いものだったのか、、、バレエって」
と、それが最も素直な感想なのでありました。
(去年10月にオペラを観た時にも同じ感嘆をもらして、笑われた(*^^))
「ヌレエフ演出」という事で構えていたのもあるし、
そも「バレエ」を3時間も観ていられるのか?という不安もあった。
が、、、
CDを聞き込んで音楽に慣れていたこともあるだろうけれど、
とても「物語」が分かりやすくて堪能できた。
初めて『キャッツ』を観たときの30倍は分かりやすい(笑)
いやしかし、もしその物語が分かり難かったとしても、
やはり魅了されていたに違いないと思えるほどに、
「バレエ」という人体芸術が、間違いなく美しかったのです。
腕が翼に見える。。。。
まるで無数に関節があるようにしなやかに動く腕。
宙に留まっているように見える。。。
あたかも糸で吊られているように高く長くジャンプする。
単なる「才能」の問題ではない「何か」を身に纏った人たちが、
ただひたすら「美しい姿」であろうとして動き続ける。
それを、
「単なる才能ではない」と理解できる歳になった、という事でもあるのか。
さて、この夜の「オペラ座バレエ団」には、大きなドラマが待っていました。
二幕が終わって休憩に入るとき、
舞台に劇団の関係者らしき人(きっとルフェーブル女史)が現れて、
フランス語でスピーチをし始めた。。。
「本日、オデットとして登場していた『マリ=アニエス・ジロー』は、
一幕の途中で舞台を続行できない状態になりました。
そこで、二幕からはプルミエの『エミリー・コゼット』がオデットを務めました。
ジークフリート役の『ジョゼ・マルティネス』とは初めての組み合わせですが、
みなさま最後までお楽しみくださいますよう」
そう、まるで『オペラ座の怪人』のクリスティーヌの様な事が、起きていたのです。
もちろん、バレエ鑑賞初心者の私にその違いなど分かるはずも無く(笑)
「エトワールが観たい!」なんてことよりも、
「不断の努力の成果」を感嘆と共に鑑賞して感激していました。
(カーテンコールが終わった後、カーテンの向こう側の歓声が凄かった!)
二人で『キッャツ』S席5席分のチケットでしたが(^^;;
3列目から鑑賞するバレエは、その飛ぶ汗の美しさも含めて、大満足。
問題は、、、
「今度は、もすこし後ろの席から観て見たい」とか、
「『ジゼル』とか『コッペリア』も観たい」という会話の怖さですね。。。
| 固定リンク
コメント
TBありがとうございました!
音楽も聴きこんで行かれて、
「白鳥の湖」の世界を堪能していただけたようで、
良かったです。
それにしても、ダンサーの途中交代には
私もまだ遭遇したことがなくビックリです!
肉体を駆使する芸術なので、故障などもあるかと
思いますが、まさに「オペラ座の怪人」の世界
そのものでしたね☆
「ジゼル」は私が一番大好きな作品でして、
機会があったら、是非観てみてくださいね。
投稿: チロル | 2006年4月27日 (木) 午後 07時34分
みかん星人様こんばんは。
それは、すごい日に当たった…もとい鑑賞されましたね。
バレエって面白いですよね!私は細かいことはわかりませんが、踊りの美しさや、肉体で表す感情表現の豊かさにいつも見惚れています。
「ジゼル」は美しくも切ない、いい演目ですよ。
これからはバレエのご感想も拝見できそうですね!
楽しみにしています♪
投稿: 暁音 | 2006年4月29日 (土) 午前 12時49分
チロルさん、コメントありがとう。
そして、素晴らしい分野を教えていただいて、ありがとう(笑)
音楽は今も耳に残っていますし、
意外といろんな場面で遭遇している気がします。
で、やはり予習が功を奏して楽しめましたので、
そのアドバイスも本当に感謝しています。
途中交替と言えば、
ジェリーロラムが途中交替したのも経験しましたが、
「故障」というのは切ない事でした。
「事故無く千穐楽を迎え・・・」
という挨拶を今まで何度も聞いてきましたが、
本当にそれが「有り難い」のだと実感。。。
『ジゼル』のお薦め公演がありましたら、
また教えてくださいね。。。(^^;;
投稿: みかん星人 | 2006年4月30日 (日) 午前 12時55分
暁音さん、コメントありがとう。
私も細かいことは分かりませんでしたし、
「細かいことまで分かる男」
を目指そうとも思いませんでしたが(笑)
一瞬一瞬が貴重な時間なのだと思いました。
》踊りの美しさや、肉体で表す感情表現の豊かさ
仰るとおり、バレエって、今更ですが、
「舞踊。肉体の限界。究極の美」
を伝播するための芸術なのだと感じました。
もちろんドラマも必要だとは思いますが、
、、、、観せるためにね、、、
少なくとも『白鳥の湖』は、
とても単純な物語を「豪華な舞踊」で装飾した芸術に思えたのです。
(まあ、日本で上演されているミュージカルと呼称される舞台でも、
あまり物語と関係の無い民族舞踊が登場するものがありますが・・・)
バレエの感想ですかぁ。。。お金貯めます(笑)
投稿: みかん星人 | 2006年4月30日 (日) 午前 01時04分