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2006年3月25日 (土)

『ナルニア国物語』

イギリスの「ファンタジー」と言えば、
『指輪物語』か、この『ナルニア国物語』が双璧。
『指輪物語』は先ごろ映画化されてとても素晴らしい作品になっていた。
で、この『ナルニア国物語』にも期待していた。

『ロード・オブ・ザ・リング』とは違う意味で、
よく出来ている映画だと思った。
多少の問題はあるけれどね(笑)

例えば。。。「人間」のアップ映像が多すぎる。
せっかくファンタジーの中に居るのに、その雰囲気が出てこない。
また逆に、戦闘場面が遠すぎる。
ファンタジーの見せ場のひとつが「なるほど!」と感じる戦闘場面で、
それこそ『ロード…』でオーランドくんがオリファントを倒す場面の様な、
ああいう「闘い方」がファンタジーならではの空気を感じさせてくれる。
なのにこの映画では、まるで『スター・ウォーズ』の様な描写に終わっている。
尤も、この二つの点は「ディズニー映画」と考えれば仕方ないのだろう。
大切な『白い魔女』の杖による魔法だって、そのディテールは省略されている。
あの魔法こそ怖がらせてくれるポイントなのに。
またその魔法が解ける時だって。。。残念。

さて、これは映画としての欠点なのか、
物語としての欠点なのかは分からないけれど、どーにも主人公達が動かない。
特に兄と姉!もっと活躍して欲しかったなぁ。。。原作ではどーなのでしょう?
一方、妹のルーシーはなかなか可愛くて活躍する。
みかん星人は「大人」な人が好きだけれど、
こういう「背伸びしているこましゃくれた女の子」も好きなのかも(爆)
ちょっと自分の趣味嗜好が不安に(笑)

ともかく、
140分もある割には飽きることなく見せてくれたので良しとしましょう。
「夢の世界」を綺麗に見せてくれたという意味では、
執拗だった『ロード…』よりは夢見がよかったと思います。

映画で比較する限り、
『ロード・オブ・ザ・リング』は、
「どんな者の心にもある弱さ」などを描くことで、
鑑賞者の心の中に降りてくる物語になっていた。
だから、物語や人物に共鳴できたなら大きなカタルシスを得られた。

一方、この『ナルニア国物語』は、
「どんな者にも在る可能性」を描いていて、
鑑賞者は物語とキャラクターに導かれて「外」へと開かれる、、、ハズ。
今後のディズニーの演出に期待したい。

ところで、、、この「内面」と「外面」の両方を同時に扱った、
素晴らしいファンタジー物語が、この日本にある。
『ナルニア国物語』の冒頭を観ていて、私が思い起こしていたのは、
小野不由美さんが描き出している未完の傑作『十二国記』だった。
もちろん、小野主上は『指輪物語』も『ナルニア国物語』も読んで、
そして『十二国記』を描き出しているのだと思うが、
その両者の魅力を合わせて更に昇華させている『十二国記』は、
実に素晴らしいと確信した。
『ロード…』やこの『ナルニア国物語』に魅了された方には、
絶対のお薦めなのであります。

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コメント

こんにちは。
ナルニア、見に行きたいなぁって思っていたので、ますます行きたくなってきました♪
でも見ない間に終わってしまいそうですが…
続きには何が☆って思ってよんだら…
久しぶりに十二国記が読み直したくなりました!!!
明日行こうの出勤のお供になりそうです(笑)

投稿: 柴 | 2006年3月29日 (水) 午前 10時01分

柴さん、コメントありがとう。

ぜひ、どつかの可愛いボーイフレンドでも拉致して(爆)
観に行ってください。
これ、子どもにはどう観えるのか知りたい(*^^)

『十二国記』、、、
順番に読みますか?好きな編から読みますか?

投稿: みかん星人 | 2006年3月30日 (木) 午後 07時05分

こんばんは。
お、では小さな友人をさそってみましょうか☆
行ってくれるかしら???

十二国記…好きな編から読みたい気分です!!

投稿: 柴 | 2006年3月30日 (木) 午後 09時15分

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受信: 2006年4月 3日 (月) 午前 11時05分

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