『ベルサイユのばら』 @ 東京宝塚劇場
副題が、
「フェルゼンとマリー・アントワネット編」とのこと。
主役?(もう、この辺りから怪しい(笑))のフェルゼンを「湖月わたる」さん。
アントワネットを「白羽ゆり」さんが演じての公演。
「宝塚歌劇」を初めて観たのは3年前の5月で、
『傭兵ピエール』という宙組の公演。
福井狂(ばか)さんの永遠のアイドル「ジャンヌ・ダルク」がテーマ。
そのチケットは、たぶん、ぴあの先行か何かで簡単に手に入って、
2階席ではあったものの、カルチャーショックではあったものの、
けっこう気楽で楽しい宝塚デビューだったのです。
で、去年の5月だったかに、「来年『ベルばら』がある」と分かり、
「いい席で見たい」という単純な理由から6月には『宝塚友の会』に入り、
昨年暮れの「会員先行抽選」に臨んだ、、、のですが、なんと全敗(笑)
「ほー」と呆れつつ【e+】や【VISA】などあゆる機会に挑んだものの、
ことごとく敗退。。。改めて「ベルばら」人気の凄まじさを知ったのでした。
最後の手段の「オケピ」に頼って、なんとかチケットを確保したのですが、
これがまたなんと、会員先行でも申し込んでみた「友の会優先公演」の日。
不思議な縁を感じながら、いよいよその日、「ベルばらデビュー」の日が来ました。
予感していたよりは、遥かに、素晴らしい芸術でした。
前の記事へ頂いたコメントの中で、
とみさんが「古典」と書かれていますが、まさに「御意」ですねぇ。
そもそも「宝塚歌劇」には【様式美】が確立していますが、
この「ベルばら」は、その爛熟の極みかと感じます。
物語は、その骨格を僅かに知る程度の私にも難なく理解できるもので、
その簡潔さと伝達力の強さは、
「『舞台演劇に革命を!』などと叫ぶだけの中身の無い新興劇団」
に少しでも見習ってもらいたいものです。
また、「歌劇」と掲げるだけはある歌の素晴らしさも、しかりでありましょう。
(さらに細かいことを言えば、音響の素晴らしさは圧巻)
「必要最低限のことを大げさに伝えてくれる」
なんと素晴らしい文化のことか。。。
で、みかん星人がハマるか?という注目の部分ですが、
二つの点で、それは難しいと感じました。
ひとつは、物語が必要最低限過ぎて「深み」が無い点。
例えば、原作では描かれていて興味深い場面なのですが、
ルイ16世とアントワネットの細かい交流が、舞台ではかなり削がれている点。
原作を読んでいないものには、この辺りの「ドラマ」の薄さが残念。
もう一点は、たぶん、あまりにも、女性の為に創られている点でしょう。
これは『傭兵ピエール』でも感じたのですが、
「男は、そんな事、言わないと思う。しないと思う」
と感じる場面が何度かあるのです。
例えば、オスカルとアンドレの「最も重要な場面」でのこと。
原作のアンドレは「生まれてきてよかった」と思うのだけれど、
舞台のアンドレは「今日まで生きてきてよかった」と言う。
微妙な違いで、女性には解らないかも知れないけれど、
たぶん男は後者的な発想は、しない。のです。
他にも、これは『傭兵ピエール』での事ですが、
男が使う言葉が、男が考えるボーダーラインよりも過激で乱暴。
その辺りが、どーも気恥ずかしい(笑)
もっとも、現実の社会で【女性】に求められるジェンダーは、
多分にこの裏返しの数倍気分の悪いものなのでしょうから、
男性にとっては、いい社会勉強かもしれませんな(^^;;
ともかく、、、お供で観劇する分には、たいそう楽しい経験ではありました。
さしあたっての問題は、
4月からの『オスカル編』の会員先行に、
また、ことごとく落選したことですね。。。。恐るべし、ベルばら。。。
訂正:次回公演の副題は「オスカルとアンドレ編」ではなく、
「オスカル編」でありました。ご指摘、感謝です。
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コメント
うーむ、、、
こんな処でチャットしているばやいではありません。
2時です!
投稿: みかん星人 | 2006年2月23日 (木) 午後 01時58分
…ですね(笑)
チケット、ぴあは見ました!!
とりあえず応募はしてみようかなぁと思っているので、
余分(なんて事があるのかしら?)に当たったら
ご連絡しますね(笑)
投稿: 柴 | 2006年2月23日 (木) 午後 01時22分
柴さん、お仕事、本当に余裕綽綽なのですね(笑)
ま、私は昼夜職場からのアクセスですけれど。
ともかく、ご期待に応えるべく。。。
チケット、、、
e+は25日までの申し込み、
ぴあは25日から3月3日まで、となっています。
余分に当たりましたら、融通してください。
しかし、、、それ、なぞらなくても。。。(汗・爆)
投稿: みかん星人 | 2006年2月23日 (木) 午前 10時36分
おはようございます♪
朝、職場でこちらに来るのが日課になりつつあります(笑)
「男役」ですかぁ、私はでかいですからね(^-^;
>「根が男なの」って、字面が、、、(*^^*)ポッ
あっ…(汗・笑)
チケット、どこにでも色々な戦いがあるものですね!
改めて知りました!!
とりあえず、行くって確かな決定はないですが、先行申し込んでみようって思いました!!
丁度オスカル・アンドレ編先行ありますしね♪
投稿: 柴 | 2006年2月23日 (木) 午前 09時26分
とみさん、コメントありがとう。
そうですね、「新作」は観てみたいかも。
以前はWOWOWで番組があったのですが、、、
今はどうなのかしら、、、
あの中に描かれる「おとこ」を観て、
そこに何かを見出そうとしても、無意味なのは解りました。
世の中には、面白いバイアスがあるものです。
ところで『グランドホテル』の宝塚版があったのですか?
言われてみれば「なるほど」の演目。
たしか『オペラ座の怪人』もあるのでしたよね?
物語をどう脚色するのか、、、興味ありますなぁ。
・・・ん?これは、ヤバイ入り口ってこと?(爆)
投稿: みかん星人 | 2006年2月23日 (木) 午前 08時38分
柴さん、コメントありがとう。
チケットの確保し難さには、本当に参りました。
「こんなに申し込んで、余ったらどーしよー」
なんて思っていた12月が恥ずかしいです(笑)
宝塚に「気恥ずかしさ」を感じる心理は、
ちっょと深く探ってみたいテーマではありますが、、、
ま、なんにしても、柴さんは「男役」バッチリですよね。
傍から見ると、そんな部分で「ヅカ好き系」に見えるかも。
しかし、、、「根が男なの」って、字面が、、、(*^^*)ポッ
投稿: みかん星人 | 2006年2月23日 (木) 午前 08時33分
>みかん☆人さま
とみです。
ベルばらデビューおめでとうございます。
半端な宝塚ファンのとみです。
伝統は様式を踏襲し洗練を重ねて行くもの。宝塚歌劇は女性の娯楽ですし,女性が男性を演じるため抽象化や記号化が成されます。違和感はごもっともかと存じます。
時流に合わせ,主演の仁や力量に合わせ座付き作者が新作を書き続ける素晴らしいシステムはここだけではないでしょうか。
>柴さま
ワタクシが初期に拝見したのが,一月に東京で上演されていたグランドホテルでした。トレンチコートや燕尾服を着た男役さんのダンディズムを表現した演目ばかり,うまく引き当ててました。期待してゆくか,何があっても驚かないと覚悟のうえ行くか。相談に乗りますよ…(笑)。
投稿: とみ | 2006年2月22日 (水) 午後 10時23分
「宝塚」絶対に柴は好きだよ!
って言われて、数年前に縁あって宙組公演を観にいきました。
結果は通っていない事は…って事でしょうか。
でもベルバラは大好きなので、これだけは1回は!!って思っているんですが…
チケの入手、激戦だとは知っていましたが、みかん星人さんでも手に入れるのが大変だとは…
うーん。
宝塚公演、私も一種の気恥ずかしさを感じたのですが、根が男なのでしょうか??(笑)
投稿: 柴 | 2006年2月22日 (水) 午前 09時52分