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2005年12月 8日 (木)

『贋作・罪と罰』 @ シアターコクーン

野田秀樹さんの作品を舞台で観るのは、これが2度目。
『透明人間の蒸気』という作品を観る機会があったのだけれど、
どうも、みかん星人とは相容れなくて、ダメでした。

何がダメって、、、
「狙いすぎ」な感じがして、入り込めなかった。
「メッセージを伝えたくて舞台を創る」のではなく、
「舞台を面白可笑しくみせる為に物語を捻出した」
という匂いがしたのだ、と思う。
込み入っているのに早口な台詞もあって、後半は苛々すらしていた。
舞台の【演出】そのものは、大変に面白かったのだけれど、、、

さて、そんな経験のあった「野田作品」。
今回の『贋作・罪と罰』は、どうなのか?
興味本位で「ぴあ」の先行に申し込んだら当たってしまった(笑)
しかも、舞台の向こう側の席、それも最前列。。。行かずばなるまい。

【演出】が、なにを生み出すのか?を改めて教えられた。

「シアターコクーン」の普段の舞台が取り払われて、
ちょうど緞帳の真下辺りに正方形の舞台が、角を手前に設置されている。
その周囲を多くの(小道具としての)椅子が取り囲み、
さらにその周囲を客席が、前後から、包んでいる。
だから、「そで」が無いし、(普通の)「幕」もない。。。
舞台には「エアキッャプ」が敷き詰められていて、、、

周囲に置かれた「椅子」には、衣装替え等が無い限り、
芝居をしていない役者達が座っていて、それが「衆目」となり「世間」になる。
そしてまた、
(袖から出てくるのではなく)その場所から唐突に芝居が始まるので、
芝居の「立ち上がり」がとても早い。
みかん星人はその「展開スピード」に、今回は、心地よさを感じた。
映画では編集によって簡単に生み出すことが出来るこの展開のスピード感を、
こんな演出によって舞台で観られるとは思わなかった。
 (舞台の上で、スポットが当たらぬまま出を待つのは、よく観るが)

物語は、『透明人間の蒸気』のような拡散もなく、
むしろ恐ろしいまでに一直線で結末まで駆け抜ける。
メッセージも原作からさしてはみ出ることも無く、
むしろ「ある体制の底辺で生きる者」を描くよりは、
「体制が変わる中でも揺るがぬ何か」を描く感じ。

主演の「松たか子」さん、目の前の椅子に座られたりして、
そんな時にも発散している「気」の強さが、終始、麗しかった。
「古田新太」さんを舞台で初めて拝見しましたが、
この人の発声はとても魅力的。。。
けど、一番惚れてしまったのは、、、段田安則さん!
役どころの魅力もありますが、あの微笑み方、、、好きっ。

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渋谷・シアターコクーンにて、作・演出:野田秀樹。 95年に初演された際に奇しくもオウム事件と重なり反響を呼んだ作品の再演。 ときは幕末、場所は江戸、日本初の女性官僚になるためだけに生きてきた三条英(松たか子)は、「優れた人間は、既存の法律や道徳に縛られなくてよい」とのエリート意識による信念から、因業な金貸しの老婆を殺害する。 しかし予定外の被害者まで出し、罪悪感と逮捕の恐怖に苦しむことに。 彼女の異変に気づいた同じ塾�... [続きを読む]

受信: 2006年1月 5日 (木) 午前 12時53分

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