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2005年11月24日 (木)

『アスペクツ・オブ・ラブ』 by David Garnett

D.ガーネットの傑作、『アスペクツ・オブ・ラブ』を読んだ。
もちろん、
劇団四季が上演しているALWのミュージカルを観て興味を持っての事。

けど実は、不勉強にも「ガーネット」という文筆家を知らなかったし、
この小説が「イギリス文学」であることも知らずにいたのです(笑)
そういえば、
舞台でもアレックス(小説では「アレクシス」本名「アレクサンダー」)が、
従妹のジェニーと初めて会った時、
「ハロー」と英語で挨拶をするのですね。。。
そう、ジョージもアレックスもイギリス人なのです。

アレックスがそれほど優秀な学生ではなく、
ローズに耳打ちされた「秘密」でモンペリエ大学に留学したことや、
ワイン畑のあるシャトーは、最初に登場する別荘とは違うこと・・・
ま、そういう背景が分かったりするのも面白かったけれど、
やはり言葉で丁寧に綴られる登場人物の心情が楽しい。
特に素晴らしいと思ったのが、ジョージの葬儀におけるジュリエッタの弔辞。
舞台にもあって、それがジョージの人となりを見事に描き出すのだけれど、
小説で2ページにわたり描かれる彼女の弔辞は、
ある意味、男が目指すべき麗しい境地を表現しているし、
みかん星人も「かくありたい」と真剣に願う内容となっています。

また、ジェニーに関する描写も多くて、
それを通して、アレクシスの心に生まれるジョージとのシンパシーや、
若き日のアレクシスとローズの恋がどれほど情熱的だったかがわかり、
まさに「恋はめぐる」という言葉どおり。

ところで、
なぜイギリス紳士がフランスでこのような恋愛沙汰を起こす小説を、
イギリスの文筆家、しかも64歳の老成した紳士が書いたのか。。。
本の解説に面白いサジェスチョンがありますが、
要するに
「規則に縛られ、外聞を重視するイギリス紳士にとって、
 芸術、美食、快楽そして自由に彩られたフランスは、
 まさに『羽目をはずす場所』なのだ」という事らしいですね。

で、思い出した小話があるのですが、、、
とある江戸っ子が、臨終にこう言い残したそうです。
「一度で良いから、蕎麦をたっぷり汁につけて食べたかった」

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コメント

こんばんわ。原作をお読みになったのですね。
ということは…学生時代の秘密もわかったんですね??
とても気になっているのでよかったらこっそり教えてください。
私も原作を読んでみようかしら…。
アスペの前に手元にある鹿鳴館を読み始めなくては!!

投稿: | 2005年11月24日 (木) 午後 11時23分

恵さん、コメントありがとう。

「秘密」ですが、具体的には書かれていないのです。
「去年ロンドンのパブリックスクールを退学させられた、
 ありふれた理由でね。
 そこで伯父さんは僕をフランスに連れてきて、
 『本当のフランスは南部にある』と理屈をつけて、
 僕をモンペリエ大学に入れたんだ」
と語ります。
その後で、アレクシスはローズに「ありふれた理由」を語ると、
ローズはしきりにおかしがって笑った、、、そうです。
小説では自供してしまうわけですね。。。

まあ、飲酒して裸踊りか、タバコで小火か、、、ですかね。
女性問題ではない感じの描写で、がっかり(笑)

そう、アレクシスの母親がジョージの妹で、
5年前になくなっているという設定。
アレクシスに「母性」を求める気持ちがあったのかどうかは、
微妙な設定だったりします。
アレクシスの父親は浪費家で、
妻と子に財産を残すことなく亡くなっている事になっていて、
この辺りの性格がアレクシスに少し感じられるのも面白いですね。

『鹿鳴館』の原作ですが、
本気で読めば2時間程度の短編です。
 (まあ、だからノーカットで舞台に出来るのですが)
ですので、読まないまま一度観劇なさるのも良いかもしれません。
けっこう凄い展開で、ラストはなかなかに衝撃的です。

なお、私のブログでは、基本的に「結末」には触れていませんので、
読んでいただいても大丈夫だとは思いますよ(*^-^)

投稿: みかん星人 | 2005年11月25日 (金) 午前 08時20分

わ。原作を読むのも楽しそう♪
そうかー。秘密の具体的な内容は明記されてないんですね。
あの保坂さんローズの笑いっぷりからすると、そうとうおかしなことのような気がしていたのですが…。

鹿鳴館、きっと私は1度しか観に行かないので、
当日、パンフのあらすじを読んでから観劇しようかな。
それで、その後に原作を…という感じで。
数年前に映画で観たんだけれど全然記憶にないんです…情けない。

投稿: | 2005年11月26日 (土) 午後 10時40分

原作『アスペクツ・オブ・ラブ』は物凄くお薦めします。
よく「悪人が登場しない物語」というものがありますが、
これはまさにそんな物語で、
いろんな場面に「わたし」が潜んでいて驚かされもします。

ああ、、、パンフレットかぁ。。。
『鹿鳴館』のパンフ、何冊買う気なのだろう?>あの人(笑)

投稿: みかん星人 | 2005年11月28日 (月) 午前 12時07分

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