『クロノス』 by 演劇集団キャラメルボックス
「演劇集団キャラメルボックス」のお芝居には、
いつも何がしかの「冠」のようなものがついているが、
今回の『クロノス』には、
「クリスマスツアー」と「タイムトラベルシアターvol.2」とついている。
「クリスマスツアー」は時期的なものだけれど、
「タイムトラベルシアター」というのは、去年の『スキップ』に続くもの。
つまりは「時間」を扱った舞台という事なのだけれど、
そもそもキャラメルの芝居には時間を扱ったものが多く、
『アンフォゲッタブル』、『銀河旋律』、『彗星はいつも一人』などは、
どれも「キャラメルらしいファンタジー」を見せてくれた。
また、『スキップ』に続いて原作がある、つまりは「脚色もの」という演目であり、
その脚色具合も楽しみだった。。。
「本当に、そうだ・・・その通りだ」
というのが、この脚色に関する感想の核だろう。
「脚色」という事がこれほど見事に行われた舞台を観たことが無い、、、
原作の「その出来事」だけに集中し疾駆する空気も素晴らしいが、
舞台では登場人物に「愛しい奥行き」が付加されていて、
その交錯具合がなんとも「キャラメルボックス」なのだ。
東京で始まったばかりなのでこれ以上は書かないが、
こんなにも「温かい愛情」に満ち溢れている舞台も、そうは無い。
(しかも「愛」という言葉を使わず、
「好き」という言葉でそれを表現する辺りも、
最高に美しい「キャラメル・テイスト」なのだ)
このブログを読んで頂いている演劇好きの方はともかくも、、
特に多く来て頂いている「劇団四季」ファンの方で、
『夢から醒めた夢』とか『アイーダ』が好きで、
そこに描かれた(「宵待ち草のやるせなさ」的)「やるせなさ」が好きな方には、
四季以外の、またミュージカルではない舞台をみる機会として、
ぜひ、一度観ていただきたい傑作だと思います。
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