『クロノス・ジョウンターの伝説』 by 梶尾真治
久しぶりの読書感想文。
子どもの頃は苦手だったなぁ・・・
それでも、パスツールの伝記を読んで書いた感想文は褒められた記憶が。。。
朝日ソノラマから出ている「ソノラマ文庫」は、
ジュブナイル文学の最高峰『星虫』を復刻してくれたりして、
実に素晴らしい文庫なのだが、大きな書店にしか揃ってないのが残念。
で、この『クロノス・ジョウンターの伝説』も「新装版」で、
「外伝」も入った4編が収められています。
最初は、今回キャラメルが『クロノス』として取り上げた一編で、
『吹原和彦の軌跡』
ここでは、タイムマシンである「クロノス・ジョウンター」の機能が説明され、
それがもたらす「奇跡」を描いている。
機能の説明が物語を使ってされてゆくのが心地よい。
控えめでおとなしい、まるでみかん星人みたいな主人公は、
それでも大変な行動力と愛情を持っていて(この辺りも似ている?(*^^))
いかにも、キャラメルの菅野君にぴったりな役。
(10年前だったら西川君だよね)
この和彦の行動が、全くスマートではないところが、愛しくてならない。
続くエピソードは『布川輝良の軌跡』と題されたもので、
ここで魅力的なのは、相方の女性、と、その婚約者。
(布川君は岡田くん、圭は綾ちゃん、香山くんは筒井くんで決まりだ(笑))
このエピソードの秀逸なのは、丁寧に読めばその結末が分かってしまうのに、
その丁寧な読み込みをさせてくれない心地よい疾走感にある。
映画では様々な手段で「タイムリミット」を演出できるが、
文章でこんなに焦らされるなんて、、、呼吸を忘れしまったほど(爆)
その後には「外伝」が入る。
これは「クロノス・コンディショナー」という頭髪に優しそうな名前の機械が登場。
このアイディアは『ふりだしに戻る』的で、みかん星人も経験してみたいと・・・
(何をしたいかは、ナイショ)
最後に入っているのが、映画『この胸いっぱいの愛を』の中心になった、
『鈴谷樹里の軌跡』。
完全にやられました、、、「おかしいなぁ」と思いながら読んだものの、
「ああ」と、もう快刀乱麻な結末!
これは大好きな『ある日どこかで』にも通じるものがあって、大感動。
キャラメルボックスさんには、藤岡&細見コンビで挑んでもらいたいかな。。。
大人の「やーらしー自己憐憫」に付け込むような【文学】などを読むよりも、
こういう「人の良心を信じる気持」を育てるジュブナイル小説の方が、
少なくともみかん星人には、似合っているようです。
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