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2005年10月21日 (金)

『アイーダ』 by プラハ国立歌劇場

「スエズ運河開通記念」のためにヴェルディーが書いたオペラ。
それが『アイーダ』という作品で、
その絢爛豪華さから「グランド・オペラの代表」とも言われてる。
現在劇団四季が上演している『アイーダ』は、これの換骨奪胎。

四季の『アイーダ』を(何度も)観ているおかげで、
登場人物の情報は充分学習してあった事もあり、とても楽しめた。
いや、楽しめたというよりは、とても興奮した。
130年前に書かれたとは思えないほど、今でも惹きこまれる。
(始めてみたオペラ『椿姫』は美麗だったけれど古臭かった)

特に感動的なのは、第3幕。(有名な凱旋場面は第2幕)
信念を持って生きてきたラダメス将軍が、
アイーダへの愛のために祖国を裏切るまでに変わる。
もちろんアイーダにとっても正念場で、
ここでの歌による駆け引きは、今まで観てきたどの舞台よりも圧倒的。

四季版(というかライス&エルトン版)と違い、
アイーダの父親・アモナズロの行動も理解(共感)しやすく、
ゆえにラダメスの罪も、罠とはいえ、明確。
この2つは四季版を見ていたときから「?」と感じていた部分で。
そういう意味でも、オリジナルはさすが。

さすがなのは、当たり前の事ですが、歌ですねぇ。。。。
特にアイーダを演じた(というより歌った)のは、
チュニジア出身の「マイダ フンデリング」という女性。
オペラ歌手は太い、、、という思い込みとは違って、
本当に総てにおいて美しい人でした。

それにしても「宗教」というのは凄い。
冒頭で話題になるのは、
女神のお告げでエジプト軍の最高司令官が決まるという話。
中盤でも、アムネリスは女神の寵愛を受けるため神殿に入るし、
ラダメスの裁判も司祭達が執り行う。
当時の人々にとって、イシスに代表される「神」は絶対で、
その前では「命」は重くは無かったのでしょうね。。。
で、現代からそういう時代を見ると「怖い」とか思いますが、
さて、、、似たような状況は、60年前のこの国でもありましたし、
世界を見れば、まだまだそんな状況の場所はある。
いや・・・もっと怖いのは、
私達にとって「当たり前」で「正しい」
存在に潜む似た怖さ。
例えばこのインターネットはどうだろう?
「インターネットに書いてあったから」という言葉に、
(或いは「本に書いてあったから」というのも同じだけれど)
古代エジプトの神官・司祭の言葉と同じものを感じないだろうか?
「神が言っている」と「多くの人が言っている」は、
相反するようで、同一なのだ。

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