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2005年10月31日 (月)

『夜叉ヶ池』 @ オーチャードホール

野村萬斎さん、梅若六郎さん主演の『夜叉ヶ池』を観に行った。

学生の頃に、能を舞われる方からお誘いを受けて『半蔀』を見せていただいたが、
これが、正直、まったく解らず、何かを感じることもできなかった。
ところが、その能楽の合間に登場する「狂言」は大変に面白く、
以後「狂言」は機会在るごとに観てきた。

「狂言」の面白さは、「古の人たちが笑ったものを、いまも笑える」という部分。
人の虚栄心や狡さをとても上手に笑うのだけれど、
それが、今でも同じように通じてしまう。

ま、そんなことや、
『子午線の祀り』もとても面白く観た事から、期待して観に行った。

第一部に『石橋(しゃっきょう)』の半能が舞われて、
耳が「能楽」に慣れる。

第二部が、能楽劇『夜叉ヶ池』。
泉鏡花原作のこの物語は、まさに「浪漫」のど真ん中(笑)
極論すると「愛が、そこに居る理由」を謳った文学という感じ。
物語は、、、
原文を読まれるなり、玉三郎さんの映画をご覧になるなどしてください。

萬斎さんが「ト書」を読むのですが、
これがまさに「狂言」のような言いまわして、ちょっと咀嚼が必要。
ところが、登場人物となって言う台詞は、普通の言葉(笑)
で、その落差がなんとも心地よい。
『子午線の祀り』でも同じような対比があって、それがとてもよかった。
夫婦の語らい、親友との語らい、語られる「理由」。。。
どんどん物語に引き込まれて行った。。。

ところが、、、茂山宗彦、逸平、童司の三人が登場して、
さらに舞台の魅力が増し始めたその時に、私の体調に異変が。。。。
全身から脂汗が噴出して、次第に体表温度が下がり始めたのです。
目を開けられないほどの疲労感と悪寒と頭痛。。。
それでいながら、舞台の音は益々鮮明に頭に入ってきて、
けれど、その意味を理解することが全く出来ない状況。
少し我慢していましたが、
もう一人の主役・白雪姫(梅若六郎さん)が登場すると、
全身が「点」になったかのような感覚に。。。
通路側の席だったこともあり、耐え切れずに中途退出。
トイレで顔を洗って、ソファーで休んでいると、少しずつ回復。

結局、白雪姫が歌い舞っている場面が終わった頃、
村人が、百合を手籠めにしている場面で戻って、
後はなんとか観ました。

どうやら、夜叉ヶ池の竜神・白雪姫の祟り、、、だったようです。

その後は元気にドライブして、食事して、帰宅しました。。。ああ、不思議。

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コメント

鯛さん、コメントありがとうございます。

ええ、逸品でした。
オーチャードの3階下手側テラス辺りでしたが、
動きや舞台の奥行きも楽しめて、素晴らしかった。

祟り、、、と、本気で思いました。
悲恋物語を観る前には、禊をしておくことにします。

ご心配くださり、ありがとうございました(*^^)

投稿: みかん星人 | 2005年11月 6日 (日) 午前 02時17分

萬斎の「夜叉ヶ池」ですか。
玉三郎の舞台を2度と映画を観ています。
逸品を見逃しました。

体調が悪かったのは、今まで騙された女性達の(もし居れば・・・ですが)、祟りじゃぁ~~!(爆)
お疲れなんですね。寒さに向かって、気候は不安定です。
お大事に・・・・。

投稿: 鯛 | 2005年11月 5日 (土) 午後 10時17分

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