『テネシー・ワルツ 江利チエミ物語』@シアターアプル
我が家の福井狂(ばか)さんには、他にも「標的」がいまして、
それはとある若手俳優なのですが、、、
彼が出演しているという事から観に行ったのが『テネシー・ワルツ』
副題の通り、昭和の名歌手・江利チエミさんの生涯を描いたもので、
彼女の曲のほかに、彼女とともに「三人娘」として大活躍した、
美空ひばりさん・雪村いずみさんの名曲を盛り込んだミュージカルとなっています。
江利チエミさんに扮するのは、日本を代表するミュージカル・ディーヴァの島田歌穂さん。
美空ひばりさんには、モトシキの実力派・久野綾希子さん。
雪村いずみさんには、2002年にタカラヅカを退団した絵麻緒ゆうさん。
どことなく「東宝・四季・宝塚」という構図なのが象徴的(*^^)
で、舞台はといえば、、、正直言って「まだまだ」の出来栄え。
例えば小道具の扱いからしてまだまだこなれていないし、
演出に至っては、ようやく物語を伝えられる程度のもの。
しかし、、、観ている間じゅう、みかん星人が感じていたのは、
「なんとイカしたスターが居たものだ」という感激と感動。。。
そして寂しさ。
そもそも、誰かの伝記を舞台にした場合、
前半は立身出世物語であり、破竹の勢いで駆け上る姿が美しいものの、
後半に入ると、挫折し、裏切られ、失望し、喪失し、そして・・・となるのが必定。
それは『ボーイ・フロム・オズ』でも、『エビータ』でも同じ。
この『テネシー・ワルツ』もまた、そうした寂しさが残ってしまう舞台でした。
まして江利チエミさんの場合は、寂しい結末となっただけに、
カタルシスと呼ぶにはあまりにも切ない幕切れが息苦しいほど。。。
それでも、今日9月4日の公演では、カーテンコールに素敵なハプニングがありました。
なんと、雪村いずみさんが客席で観劇していて、
最後には舞台に昇られてご挨拶されました。
その登場に一役買われたのが、江利チエミさんの同窓生の方々。
いまは「江利チエミを偲ぶ会」として集まっておられるその方々は、
舞台での物語の中にも描かれ登場していた友人達で、
ちょうど私の前の列に座られていたのだけれど、
その同窓会の場面では互いに顔を見交わして涙を流されていましたっけ。
実はこの舞台は母に見せたいと思ってチケットを買ったのですが、
急なことから今回は見送ることとなったのです。
雪村いずみさんをはじめ、その同窓生の方々も、
そして私の母にとっても、この物語はまさに「青春の日々」であり、
それがつまりは、私がこうして気軽に舞台を楽しむ【魁】だったりするわけ。。。
『テネシー・ワルツ』は、まだまだ生まれたてのミュージカルだけれど、
他の日本の音楽を使ったミュージカル、
たとえば『スター誕生』とか『クラウディア』といった曲に寄りかかっただけの駄作と違い、
大きな「財産」となりうる可能性を持っていると感じました。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント