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2005年6月26日 (日)

『砂の器』

 松竹110周年とかで、関係ないのかな?
 『砂の器』がデジタル・リマスターされて東劇で上映されています。

 この映画はみかん星人が中坊だった頃に公開されて、かなり話題でした。
 小説は読みましたが、その小説が重くて面白くなかった事もあり、
 今回の鑑賞が初めての鑑賞となりました。
 13歳の私にこの小説の意義が分かるはずも無く、
 また、テーマとなった事柄も「違う世界の問題」と思っていた頃でしたので、
 当時観ていても無駄だったんだろうなぁ・・・

 2時間20分もある映画。
 みかん星人は「100分超えたら駄目よ」と思っていますが、
 少なくともこの『砂の器』は飽きずに観ることができました。
 (ま、本気で無駄を省いて100分にしていたら、世界じゅうで愛されたでしょうが)
 その理由の大半は、後半の組曲『宿命』を織り込んだ演出にありましょう。
 曲と過去とが織り成すタペストリーが美しく、
 またその完成したものが観る者に突きつけるメッセージの強烈さは、
 他に類をみない程に完璧と言っていいでしょう。

 実は、この映画を観ていて「ほー」と感心というか感動すらしたのが、
 「物語の根幹は刑事の視線だけで作られている」という点。
 つまり犯人の心情はおろか、その動機すら刑事の「推理」でしかないのです。
 原作を読んだのが30年以上前なので憶えていませんが、
 こんなにも一方的な物語ではなかった気がするのですが・・・
 ともかく、この大胆な演出(脚本)によって、
 この映画は「見て来た様な嘘」を語る浪花節的な質感を持つのですね。
 「本当のところ」は分からないけれど、
 「こうに違いない」という決め付けの中にある湿度が、不思議と心地よかった。

 それにしても、この映画が30年前にできていて、
 当時多くの日本人が鑑賞し感動たにも関わらず、
 「世の中は殆ど変わってこなかった」という現実は、どう考えれば良いのでしょう。
 例えば、数年前にHIVに感染して苦悩する女の子を主人公にしたドラマがありましたし、
 車椅子で生活をするヒロインの恋愛を描いたドラマは高視聴率を取りましたね。
 ですが、この国ではHIVポジィティブは増え続け、
 街角には放置自転車がいっぱいで車椅子が通行できない状況が続いています。

 この国は、バカばかりが住んでいるのか?

 ま、そんなこんなで、感激するとともに、落胆した今日でありました(笑)

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» 映画 「砂の器」(’74) ”ぼくが泣いた映画” に追加! [Salud!amor y Salsa ! ☆]
  「砂の器」と聞いて「えっ、砂の器?知ってるわよ。去年の冬にTVで中居君がやったやつでしょ」と言う人には、是非一度この30年前の一流の映画を観てほしいのです。確かにTVは原作の再現ではなく、実は映画のリメイクなのですが、映画とTVの「砂の器」は別物です。映画「砂の器」は、原作に比べると登場人物の一部が省かれ、主役の和賀が手がける音楽ジャンルも異なり、和賀の実父(本浦千代吉)もすでに死亡しているなど、... [続きを読む]

受信: 2005年6月28日 (火) 午後 05時11分

» 『砂の器』 [映画と文庫とMDと]
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受信: 2005年6月30日 (木) 午後 08時01分

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砂の器『砂の器』(すなのうつわ)は、松本清張作の社会派推理小説|ミステリー。1960年から1961年にかけて読売新聞に掲載された連載小説。時代背景を取り入れた社会派ミステリー。Wikipediaより引用...... [続きを読む]

受信: 2005年7月 5日 (火) 午前 11時42分

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