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2005年3月31日 (木)

『キャッツ』@キャッツシアター

 今月は、1年でも最も忙しい月。
 地道に行うと1ヶ月掛かる程度の仕事が10件ある。
 それなのに犯罪に巻き込まれた上、『キャッツ』にも翻弄される事となった。

 今月、我が家に残る『キャッツ』の半券は10枚・・・(爆)
 その原動力は、我が家にいる「福井晶一マニア」のおかげだ。
 このブログでも『アイーダ』の中で取り上げたけれど、
 福井君が『キャッツ』の主要キャラクターの一人「ラム・タム・タガー」を演じている。
 それが発表された3月12日以降、我が家は狂気の沙汰である。


 もちろん、みかん星人にはあまり時間が無いので、
 10回の機会の半分を使ったわけではない。。。お金も無いから。
 けれど、、、数回、観てしまった。
 で、観るたびに感じていたのは、
 「このミュージカルは、不可思議だなぁ。。。」という思い。
 物語らしい物語は無いし、猫に扮した役者が次々と踊るだけのこの舞台は、
 しかし、なにか不思議な魅力があって、故に世界でもロングランが続いてる。
 だが、正直なところ、、、みかん星人にとっては、それほど魅力的なものでは無い。

 いや、、、無かった。

 みかん星人は、今夜の『キャッツ』に泣かされた。。。
 クライマックスで、自然と涙が溢れて、全身に震えが走った。。。

 今夜、主役とも言うべき「グリザベラ」を演じていたのは「金 志賢」。
 彼女の仕草に、演技に、歌に、泣かされたのだ。


 第一幕の最後に金・グリザベラが見せてくれたとある仕草。
 この仕草が、私が「グリザベラ」に抱いていたイメージを変えた。
 それまで「年老いた娼婦」という言葉の外に出ることが無かったイメージが、
 彼女の流麗で妖艶な仕草をみて「あ!」と思わされた。
 その瞬間、歌詞の意味も、舞台の意義も、一気に全てを理解してしまった。

 「グリザベラは、美妓だったのだ。しかも、飛び切りの」

 確かに、歌詞にはそういうニュアンスの部分があるのだけれど、
 今までの「グリザベラ」ではそれを感じられなかった。

 今まで「グリザベラ」を演じていたのは「重水由紀」さん。
 彼女が演じる「重水・グリザベラ」は、どこか温かさがあって、
 そんな彼女が見せる「年老いた娼婦」は、まさに「娼婦」だった。

 そう、、、例えるなら、
 「重水・グリザベラ」は、スペインの「リオハ」と呼ばれる赤ワイン。
 それも「レゼルバ」クラスのビンテージもの。
 重々しく、濃厚で、時間を越えてきているが、華やかさを感じない。
 一方、
 「金・グリザベラ」は、フランスのランスで作られたシャンパン。
 それも、ピノ・ノワールだけで作られた辛口。
 それを凍ってしまいそうなほどに冷やして飲んでいる感じ。
 【みかん星】の【音楽の星】で取り上げた『白い恋人達/桑田佳佑』にも書いたが、
 彼女にこそ、この「シャンパン」のイメージがある。

 最後に歌われた(名曲)『メモリー』。
 「金・グリザベラ」が立ち上がりながら歌うその部分゙で、
 みかん星人は、『キャッツ』が伝えたいと願っていることの「核」に触れた気がした。
 本当に、本当に素晴らしいミュージカルだ。

 ようやくだけれど、気がつけてよかった。

 「ミュージカル・ショー」である『キャッツ』で泣かされてしまった私は、
 最後にスタンディングオベーションをかましてしまった。。。
 や、「ブラボー」という叫び声も聞こえていた気がしたが、
 あれは、みかん星人に似ていたが、きっとたぶん、私ではない。

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